羽賀龍之介、オール一本で初V!“伝家の宝刀”内股で後輩の太田を撃破

2020年12月27日 05:30

柔道

羽賀龍之介、オール一本で初V!“伝家の宝刀”内股で後輩の太田を撃破
初優勝を果たし、天皇杯を手に笑顔を見せる羽賀龍之介(代表撮影) Photo By 代表撮影
 【柔道全日本選手権 ( 2020年12月26日    東京・講道館 )】 体重無差別で争われ、16年リオ五輪男子100キロ級銅メダリストの羽賀龍之介(29=旭化成)がオール一本勝ちで初優勝を果たした。東京五輪代表を逃した羽賀だが、初戦からベテランらしい試合運びと技術、そして意地を見せ、3回戦では優勝候補の影浦心(日本中央競馬会)を撃破。新型コロナウイルスの影響で、当日に3選手の欠場が発表される非常事態の大会を制した。
 決勝は延長2分、120キロの太田を“伝家の宝刀”内股で畳に転がすと、思わず白い歯をこぼした。世界が大きく傷ついた2020年。「コロナ下の大会を運営は大変だったと思うが、試合ができることは改めていいと思った」。当日に3選手の欠場が決まる非常事態で、羽賀の言葉には実感がこもっていた。

 3回戦以降は東海大か旭化成、いずれかの後輩と対戦。特に3回戦の影浦は「(大学に)入ってきた時から毎日稽古をした。ころっと負けると先輩として示しが付かない。壁になってやろう」と気持ちが入った。ポイントは奪えなかったが、組み手争いで完勝。24年パリ五輪100キロ超級代表候補の鼻をへし折った。

 緊急事態宣言発令中だった4月、SNSで「#いま柔道家にできること」のハッシュタグを付け、書籍紹介を始めた。その後も1人打ち込みの映像発信を柔道界に広げ、次世代のために一役買った。男子日本代表の井上康生監督も「競技でも社会貢献でも力を注いでくれた」と称えた。

 「まだ東京が開催されていないので、頭に一つもない」と24年への思いを語ったが、「衰えを認めた上で、質の高い練習ができている」とも。円熟期に入った29歳が、新たな境地で柔道人生を歩む。

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