走り幅跳びの妖精・クリシナ 車いすで去る まさかの予選落ち 過去に「裏切り者」

2021年08月01日 12:28

陸上

走り幅跳びの妖精・クリシナ 車いすで去る まさかの予選落ち 過去に「裏切り者」
女子走り幅跳び予選に臨んだダリヤ・クリシナだったが…(AP) Photo By AP
 【東京五輪 陸上 ( 2021年8月1日    国立競技場 )】 女子走り幅跳びで、ダリヤ・クリシナ(30=ロシアオリンピック委員会、ROC)がまさかの「記録なし」で予選落ちをした。2本目まで踏み切りが合わず、連続でファウル。跳躍そのものは7メートルに迫るほどバネが効いていた。しかし、ラスト3本目に悪夢に襲われた。
 走り出す前から右太もも裏を数回、触った。2回目までにはない動きだった。筋肉をほぐすような仕草もした。意を決して走り出したが、数歩したところで飛び跳ねるように痛がってやめた。世界に知れ渡る美形が、苦悶(くもん)の表情になった。走ることをやめ、足を引きずりながらベンチに手をかけ、日本製の角氷を右太もも裏に当てた。

 記録なしで五輪が終わった。

 取材エリアには、車いすに乗って現れた。ロシア語の報道陣が問いかけたが、首を横に振りながら医務室へと姿を消した。

 13年にロシアから米国へ移住して腕を磨いた。前回リオデジャネイロ五輪は、国家ぐるみのドーピング問題でロシア選手の出場が制限された中、個人資格で出場が認められた。そのため、母国からネット上で「裏切り者」と批判された。大会は6メートル63で9位だった。

 その翌年の世界選手権ロンドン大会では銀メダルに輝いた。
 インスタグラムのフォロワーは36万人を誇る世界的なアスリート。東京五輪の選手村の様子を投稿して、SNS上で大きな反響を呼んでいたが、悔しい形で2度目の五輪が幕を閉じた。

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