【スポーツクライミング】野中 ボルダリング3位が銀メダルに道開く―尾川とも子の目

2021年08月07日 05:30

スポーツクライミング

【スポーツクライミング】野中 ボルダリング3位が銀メダルに道開く―尾川とも子の目
女子複合決勝 スピードで対戦する野口啓代(左)と野中生萌 Photo By 共同
 【東京五輪第15日 スポーツクライミング女子複合決勝 ( 2021年8月6日    青海アーバンスポーツパーク )】 メダルを獲得した日本の2人は重圧がかかる中で力を発揮し、持ちこたえたことがメダルにつながりました。

 野中選手はボルダリングの第3課題、1回目のトライでポイントとしてカウントされるゾーンを獲得したことが大きかったです。親指を下にした逆手でホールドをつかみ、肘を上げて脇を開くガストンというムーブ。肩周辺のパワーを生かして2手目を乗り切り、ゾーンを確保しました。自分の得意なムーブにこだわってゾーンを逃した第1課題の穴を埋め、各選手が伸び悩んだボルダリングで3位に食い込んだことが銀メダルに道を開いたと言っていいでしょう。

 第1種目のスピードで3位を確保したことも見逃せません。持ちタイムを比べると妥当な順位ですが、前日の男子決勝で楢崎選手が通常通りなら1位で抜けられたはずの決定戦で自己ベストを意識して失敗。2位に終わったことが響いてメダルを逃しました。予選では2本連続で日本記録を更新した野中選手ですが、この日は相手との力関係を見極めて無理をせず、確実に目の前の勝負を取りにいきました。

 野口選手もスピードが鍵になりました。得意ではない種目で4位を確保。大きなタイム差がない相手との1レース目の結果で4位以内、5位以下に分かれる重圧がかかる状況でしたが、落ち着いてクリアしました。得意なボルダリングはパワーが求められた第3課題との相性が悪く、ゾーンを逃して4位にとどまりましたが、最終種目のリードを含めて致命的なミスはなく、粘り強くまとめた結果の銅メダル。誇りに思ってほしいと思います。(プロクライマー)

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