北京五輪決めたロコ・ソラーレ 強さの秘密は“弱さ”、互いにシェア 支え合える強固な絆

2021年12月18日 05:30

カーリング

北京五輪決めたロコ・ソラーレ 強さの秘密は“弱さ”、互いにシェア 支え合える強固な絆
北京五輪出場を決め、記念撮影するロコ・ソラーレの選手、スタッフら Photo By 共同
 【カーリング北京五輪最終予選第7日   日本8ー5韓国 ( 2021年12月17日    オランダ・レーワルデン )】 ロコ・ソラーレの強さの秘密は、逆説的に「弱さ」にある。ネガティブな自分と闘いすぎることなく、さらけ出すことで前に進んできた。それは、メンバーが強固な絆で結ばれているからこそ可能になる。サードの吉田知那美は、「平昌からの約4年で新たに進化したところがあるとすれば、弱さの情報公開をするようになったこと」と明かした。
 「強い状態の時に一緒にいるのは簡単」と言う吉田知は「今は、より自分たちの弱さでつながっている。シェアして公開して、どう対処するか研究し合っている。お互いの弱さを、しっかりサポートし合うことができた」と続ける。一番、顕著だったのは9月の北海道銀行との代表決定戦。連敗を喫して崖っ縁に追い込まれた後、スキップの藤沢五月は責任を背負い込んで、泣き崩れた。沈む司令塔にチームメートは優しく声を掛けた。

 「それでいい」
 「緊張してもいい」
 「前日、寝られなくてもいい」

 藤沢は自分のショットを取り戻し、3連勝で五輪最終予選へ駒を進めた。「みんなが受け入れてくれるのがありがたい」と藤沢が言えば、「弱いままでいい、かっこつけなくていい、老いてもいいんですよ」と吉田知。各国がアイスの状況把握に苦しんだ最終予選。ロコはそれぞれが支え合い、北京への扉を開いた。

 【ロコ・ソラーレの平昌五輪以降の歩み】
 ▼2018年2月 平昌五輪で日本勢初の表彰台となる銅メダルを獲得。
 ▼6月 本橋麻里が選手としては休養し、チーム運営に専念することを発表。
 ▼9月 チームを運営する一般社団法人を設立し、本橋が代表理事に就任。
 ▼12月 五輪の試合中に発していた「そだねー」が「2018ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれる。
 ▼19年2月 日本選手権に出場。1次リーグ、プレーオフ、決勝と中部電力に全て敗れて準優勝。
 ▼20年1月 本橋が第2子を出産。
 ▼2月 日本選手権の1次リーグで黒星を喫した中部電力をプレーオフ、決勝で下して4年ぶり2度目の優勝。3月の世界選手権代表に決まる。
 ▼3月 新型コロナウイルスの影響で、世界選手権が開幕2日前に中止に。
 ▼7月 本橋が育成チーム「ロコ・ステラ」での復帰を発表。
 ▼9月 フィフスとして02年ソルトレークシティー、10年バンクーバー五輪代表の石崎琴美が加入。
 ▼21年2月 優勝すれば北京五輪を戦う日本代表となれた日本選手権は、北海道銀行に敗れて2位に終わる。
 ▼5月 世界選手権で北海道銀行が11位となり、北京五輪の出場権を逃す。
 ▼9月 北海道銀行と日本代表決定戦。連敗スタートで崖っ縁に追い込まれたが、そこから3連勝して代表に。
 ▼12月 北京五輪最終予選で五輪切符をつかむ。

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