船木和喜氏 沙羅復活Vの要因は「空中のうまさ」生かせるLHの影響が大きい

2022年03月04日 05:30

ジャンプ

船木和喜氏 沙羅復活Vの要因は「空中のうまさ」生かせるLHの影響が大きい
W杯女子個人第14戦で優勝し笑顔を見せる高梨 Photo By 共同
 【ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第14戦 ( 2022年3月2日    ノルウェー・リレハンメル ヒルサイズ=HS140メートル )】 【船木和喜の目】高梨のジャンプそのものが五輪時より急激に良くなったというより、舞台の違いが結果に大きな影響を与えたと思う。北京で実施されたのは女子個人、混合団体ともにノーマルヒル(NH)でヒルサイズ(HS)は95メートル。今回は大きなラージヒル(LH)で、HS140メートルだった。踏み切りなどのパワーの影響が飛距離に占める割合は、滞空時間の長いLHの方がNHより低いという見方ができる。
 高梨は助走、踏み切り、空中、着地と全て高レベルの選手だが、パワー型の海外選手と比較して最も優位性があるのは空中のうまさだ。スキーや身体の操作で、浮力や推進力を効率的に飛距離につなげている。五輪でメダルを獲得したスロベニア勢も空中技術は高いが、その選手たちに勝ったことも高梨の力を証明したといえる。

 シンプルな競技だけに精神面の影響は大きいが、戦線復帰初戦での勝利は大きな意味がある。そして、日本女子ジャンプ界には高梨の力がまだまだ必要だと思う。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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