周囲に愛された三浦璃来、中学同級生がサプライズで“手作り卒業式”

2022年04月20日 07:30

フィギュアスケート

周囲に愛された三浦璃来、中学同級生がサプライズで“手作り卒業式”
三浦璃来、木原龍一組(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【オリンピアンロードの歩き方(4) 】 五輪を目指すアスリートに影響を与えた恩師、関係者らを取材するコラムの第4回。フィギュアスケートのペアで北京五輪団体戦の銅メダル獲得に貢献した三浦璃来(20=木下グループ)が通った宝塚市立御殿山中で、3年時に担任を務めた小川直宏教諭(30)が“手づくりの卒業式”などの秘話を明かした。
 宝塚市役所には、北京五輪団体戦で銅メダルを獲得した“りくりゅう”こと三浦璃来と木原龍一の功績を称える横断幕が今も掲げられている。その宝塚で生まれ育った三浦が中学の3年間を過ごしたのが、JR宝塚駅の山手にある御殿山中。3年時に担任を務めた小川教諭が、当時を懐かしんだ。

 「大会や選手権に出場するために休むことや早退することもあったけど、学校でも真面目で、頑張っていて。友達とも楽しく過ごしていて、試合に出る前には“璃来ちゃん頑張ってきてね”と応援されていました」

 学校とは別の活動となるため、フィギュアスケートを熱心に続けていれば、授業や行事を休まないといけない状況が出てくる。その頃から世界を見ていた三浦も、もちろんその一人。それでも、3年時の最初の学級通信には、今年度の目標として「勉強とスケートの両立」と書き込んだ。

 小川教諭には、忘れられない出来事がある。3学期、節目となる卒業式に三浦が海外の試合に出場するため参加できないことになった。それを知った周りの生徒から「何かしてあげられないか」と話が持ち上がった。先生たちとも相談を重ねる中で「三浦さんだけの卒業式をしたい」と企画が進み、海外に飛び立つ前にサプライズの舞台が用意された。

 週に1回の学年集会。その場が、たった一人のためだけの卒業式へと様変わりした。三浦が在籍した3組の生徒だけでなく、200人を超える3年生全員で実施。体育館で卒業証書を手渡し、最後は正門で「頑張ってきてね」と盛大に送り出した。

 「三浦さんも凄く喜んでくれていたし、確か泣いていたと思います。何より、生徒たちから“何かをしてあげられないか”と話が出てきたのが貴重で、生徒たち自身が自分たちでそう思ったところが一番良かった。周りから愛されていたんだと思います」

 卒業後も努力を続け、五輪で結果を残した三浦璃来。小川教諭を含め、今でも宝塚から多くの人たちが応援している。 (西海 康平)

この記事のフォト

おすすめテーマ

2022年04月20日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム