シニア11年目の井戸木鴻樹、強さ支える探究心と“秘密兵器”

2022年04月22日 05:00

ゴルフ

シニア11年目の井戸木鴻樹、強さ支える探究心と“秘密兵器”
自身の似顔絵入り「ナナメッティ」を手に笑顔の井戸木 Photo By スポニチ
 本紙ゴルフ天国の“先生”井戸木鴻樹(60)が11年目のシニアシーズンを迎えた。開幕戦の金秀シニア沖縄オープンは53位にとどまったが、13年全米プロシニア選手権で日本人男子初の海外メジャー覇者となった名手の輝きは、年齢を重ねても色あせない。昨季はコマツオープンなど3勝を挙げ、賞金ランキング3位は12年の2位に次ぐ好成績。シニアをけん引する井戸木に“長寿”の秘けつと今季の意気込みを聞いた。
 衰えを知らない60歳だ。昨季の賞金ランキング10位以内の選手で、60代は井戸木一人だけだった。しかも“アラ還”で3勝。デビューしたばかりの選手が一番強いと言われるシニアの世界で、その勝負強さは“常識破り”だ。

 ただ、本人に“長寿”の秘けつを尋ねると「気持ちですね」とさらりと言ってのける。

 「レッスンとかYouTubeで生計を立てている人もようけおりますけど、僕はできる限りトーナメントでやりたい。その気持ちじゃないですかね」

 もちろん年齢相応の“勤続疲労”はある。両肩、腰、手首に不安を抱え「そっち方面の作戦はいろいろ考えながらやっています」とケアは怠らない。ただ「リハリビ程度」と過度なトレーニングは避け「あとは道具に頼るしかない」と足りない部分は進化する最新のクラブやボールの恩恵にあずかる。800グラムの素振り用のクラブを考案したり、良いサプリメントがあると聞けばすぐに試す。旺盛な探究心が衰えないゴルフを支えている。

 “元祖”日本一曲がらない男だ。レギュラー時代は7回もフェアウエーキープ率1位に輝いた。だが今は“イメチェン”を図っている。「シニアの試合も昔みたいにフェアウエーに打っていかないと勝負にならない時代ではないですから。多少ラフに行っても飛んだ方が良い」。手にするウッド系のクラブは飛距離が最優先。「1、3Wに限りそうしています。あとは寄せるクラブですから」。そんな進化する男の頼りになる武器が「6、7年前から使っている」ティーペグの「ナナメッティ」だ。

 同ティーはセットアップした時の形が打球方向に傾くのが特徴。その効果で1Wがボールとティーに当たった時の負荷を軽減。低スピンの風に負けない球筋を生み出すという。12年の発売から10年で累計600万本を突破した人気商品だ。「僕はパワーがないから普通のティーだとインパクトの時に抵抗を感じる。でもこれだとスパンと振り抜ける感じがある。シャープに振れる分だけ、飛距離も出る感じがします」

 井戸木の影響で、最近は小山内護や立山光広らツアー仲間にも愛用者が広がる。「小山内は“飛ぶ”と言ってますけどね。僕の影響かどうかは分からんのですけど、みんな使い始めているようです」

 進化を止めない男の今季の目標は「まずは(シード権が得られる)賞金30位以内に入ること」。そこをクリアできれば次の段階に進む。「もちろん優勝できれば…。うまくいけば昨年以上の成績が残る可能性もありますしね」と“曲がらない男”は目標設定も堅実だ。

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