BR東京―大阪戦、開始2時間半前の中止発表…リーグワン側が非を認める 勝敗、勝ち点配分決定は次週

2022年05月07日 19:12

ラグビー

BR東京―大阪戦、開始2時間半前の中止発表…リーグワン側が非を認める 勝敗、勝ち点配分決定は次週
リーグワンのマッチボール Photo By スポニチ
 ラグビーリーグワン最終節、BR東京(旧リコー)―大阪(旧NTTドコモ)戦の中止が7日午前11時50分過ぎに発表された。試合開始約2時間半前という異例の発表だった。試合会場の東京・秩父宮ラグビー場には試合中止を知らない観客が午後0時過ぎから集まり始め、中にはこの日、大阪から駆け付けたドコモファンの姿もあった。
 最終判断を下したリーグワンの東海林一専務理事は秩父宮ラグビー場でドタバタ中止劇の経緯を説明した上で「リーグ内の情報共有がなされていなかった。申し訳ない」とファン、チーム関係者に陳謝した。新型コロナウイルスの影響による試合の中止は今季17試合目。

 ことの経緯は以下の通り。
 
 ▼5月2日 大阪は選手・スタッフ全員にPCR検査を実施し、13人が陽性に。この結果と再検査の実施をリーグワンに報告。

 ▼5月3日 大阪が再検査した結果、13人中7人が陰性となり、リーグワンに確認した上で試合実施を判断。併せて3度目のPCR検査実施を決める。

 ▼5月5日 大阪は3度目のPCR検査を実施し、1人を除く全員の陰性を確認。規定通り試合開始48時間前の午後2時30分にメンバー登録を行う。

 ▼5月6日 BR東京がリーグワンに対して大阪が実施した1回目と2回目のPCR検査結果に大きな差異があることについて疑義を申し入れる。これを受け、リーグワンは午後8時ころ、大阪に試合中止の可能性があることを伝える。

 ▼5月7日 午前9時30分ころ、リーグワンが大阪に試合中止の意向を伝え、不服ながら大阪側もこれを了承する。
 
 大阪側は慎重を期して3度、PCR検査を実施し、その全てをリーグワンに報告かつ了解を得ていると主張している。リーグワンもこの大阪の主張は認めているが、BR東京側が示した疑義について解決できていないとも判断した。

 リーグワン、BR東京、大阪の3者協議を3日の段階で行い、方向性を出していれば、このような直前での中止発表はなかったが、この件に関してリーグワン内部での情報共有がなされていなかったという。この日、東海林専務理事は「リーグの対応が完全に後手に回った」とリーグワン側の非をほぼ全面的に認めた。

 7日時点で大阪の過失の有無は判定できず、勝敗、勝ち点の配分は未定。リーグワンでは再試合の可能性も含め次週前半には結論を出したいとしている。

 BR東京は7日時点で1部10位。入替戦に回るか否かの瀬戸際にいる。勝ち点の行方はこの後のBR東京の戦いを大きく左右する。

 一方の大阪はNTT傘下のチーム再編により来季は3部から再出発する見込みになっている。自チームから新型コロナウイルス陽性者を出したためホーム最終戦となるはずだった前節1日の静岡戦が中止となり、現有メンバーで戦う最後の試合となるこの日のBR東京戦に懸ける思いは一層強くなっていた。最終戦に向けて体を動かし始める直前だった午前9時30分の中止通達に選手はぼうぜん自失して言葉を失った。「このメンバーで戦う最後の試合。それぞれの思いがあると思う。もちろん試合はしたいですけどこうなってしまった以上はもうどうしようもない。ファンの方には本当に申し訳ない」と下沖正博GM。8日に全体ミーティングを行い、チームはいったん、ここでシーズンオフを迎える。自国へ帰る外国人選手もおり、再試合は現実的ではない。今後はコロナ禍で消えた最終戦に代わるファン感謝イベントを大阪・南港のホームグラウンドで実施する方向で調整を進めるという。

 

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