【元横綱稀勢の里コラム】照ノ富士の手術は勇気ある決断 体を作り直し、もう一度土俵に戻ってきてほしい
2022年11月02日 07:00
相撲
相撲の世界は十両以上になると給料を手にして一人前として扱われます。「番付が1枚違えば家来同然」と言われるなか、幕下と十両で待遇はまさに雲泥の差。十両昇進を目指す力士らがしのぎを削る幕下上位の取組は白熱した相撲ばかりで、楽しみにしているファンも少なくありません。次の世代に角界を背負う若き力ががむしゃらに稽古して汗をかく、泥まみれになる。今巡業でも幕下の申し合いは「熱」があり、むしろ関取衆の稽古に物足りなさを感じてしまうほどでした。
私の弟子も幕下・龍王と三段目の竹岡が参加。10月15日に埼玉県久喜市の巡業では幕内の高安にヤマ稽古で胸を出してもらいました。ヤマ稽古は屋外での稽古で、私も現役時代によくやっていましたし、ヤマで強くなったという自負もあります。関取に鍛えてもらった弟子の2人は貴重な経験。九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)ではその成果を発揮してくれることを期待しています。
本場所とは違って現役力士と会話する機会がありました。前半は参加していた照ノ富士ともいろいろ話をしました。思うところもあって大変そうだったので「ケガの具合はどう?頑張って」と声をかけました。10月18日に手術したと聞きました。間近で見て感じたことは大関・貴景勝らのハリのある体つきと比べて、若干、寂しく見えたのも事実。体がしぼんでいたので、仕切り直しも必要かな、時間をかけて治した方がいいと思っていました。勇気ある決断かもしれませんが、体をもう1回つくり直すのはいい選択だと思います。
一人横綱としてここまで相撲界を引っ張ってきましたので、心身ともにリフレッシュするのはいいタイミングだったと思いたい。年齢的にもまだ頑張れるはずですし、強い照ノ富士が戻ってくることを願っています。 (元横綱・稀勢の里)
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