強すぎる…レスリング・藤波、公式戦106連勝でV3 4カ月ブランク乗り越え元女王・奥野撃破

2022年12月26日 04:22

レスリング

強すぎる…レスリング・藤波、公式戦106連勝でV3 4カ月ブランク乗り越え元女王・奥野撃破
女子53キロ級決勝、優勝しガッツポーズする藤波(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【レスリング全日本選手権最終日 女子53キロ級決勝   藤波5-0奥野 ( 2022年12月25日    東京・駒沢体育館 )】 女子53キロ級決勝で、藤波朱理(19=日体大)が17、18年世界女王の奥野春菜(23=自衛隊)を5―0で破り、3年連続3度目の優勝を果たした。藤波はこれで中2だった17年6月の全国大会決勝で敗戦後、公式戦で106連勝。今年9月の世界選手権を左足甲のケガで欠場し、4カ月の実戦ブランクがありながら見事に乗り越えた。男子フリースタイル65キロ級では、東京五輪金メダルの乙黒拓斗(24=自衛隊)が3年ぶり3度目の優勝を飾った。
 人生最大の試練となった日々を思い出したのだろう。表彰式後のインタビュー。「自信を持って戦おうと思ったが、ケガが続いて試合に出られない期間があり、不安とプレッシャーがあった」と話すと、藤波は次第に涙声となった。8月以来の実戦で、3試合無失点の完全優勝。106連勝に加え、前年度決勝後から16試合無失点と記録的な強さを見せ、「本当にうれしい」と喜びをかみ締めた。

 決勝は6月の選抜決勝以来となる奥野との再戦。得意の片足タックルはきれいに決められなかったが、不利な体勢からバックを取るなどして完勝。本人は「練習していた技を出し切れなかった」と反省も、日体大コーチで父の俊一さんは「攻守のバランスがいい。天性のものがある」と自身の58歳の誕生日に復活した愛娘を称えた。

 世界選手権直前の8月末に左足甲を負傷、仕切り直しで出場予定だった10月のU―23世界選手権前には左膝の炎症。相次いで大会を回避した。都内で同居する俊一さんも「ストレスがたまっていたと思う。4カ月は(同居が)きつかった」と苦笑いする。ため息をついただけで藤波は自分に向けられたものだと思い込み、口論は絶えず。それでも11月にようやく本格的な練習が再開できると、気持ちの面も前向きに。「フィジカル、体幹も強くなった」と目を細めた。

 パリ五輪代表争いでも、今大会3位の東京五輪金メダリスト志土地真優からリードを奪い、「絶対に自分が行って優勝します」と言い切った藤波。吉田沙保里、伊調馨らを輩出した女子レスリング界から、再び国民的ヒロインが誕生しようとしている。

 ◇藤波 朱理(ふじなみ・あかり)2003年(平15)11月11日生まれ、三重県出身の19歳。父・俊一氏(現日体大コーチ)の影響で4歳から競技を開始。三重・いなべ総合学園高―日体大。昨年10月の世界選手権で初出場初優勝。1メートル64。家族は両親と17年世界選手権男子フリースタイル70キロ級銅メダルの勇飛。趣味は大食い動画を見ること。

おすすめテーマ

2022年12月26日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム