羽生結弦さん 故郷とつながった“笑顔の循環”

2023年03月11日 04:45

フィギュアスケート

羽生結弦さん 故郷とつながった“笑顔の循環”
<羽生結弦notte stellata>エンディングの羽生結弦さんと内村航平さん(手前から2人目)ら出演者たち(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【羽生結弦 3.11を忘れない(3)】震災を言い訳にはしなかった。「期待に応えなきゃという呪縛みたいなものを自分でかけている。それを受け止めることができれば、プレッシャーという圧力は絶対、エネルギーの源」。羽生さんは応援を真っ正面から受け止め、自らの努力でスターダムを駆け上がった。
 12年3月の初出場の世界選手権で銅メダル。さらなる成長を目指しカナダ・トロントを練習拠点とした。「仙台離れたくないなって思いながら泣きながら行った」。13年3月、カナダ・ロンドンでの世界選手権前には現地で日本時間午後2時46分に合わせ、黙とう。場所は離れても、復興への思いは強かった。

 14年ソチ五輪で日本人男子初の金メダルを獲得。その後、津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市を訪れ「僕の結果でこんなに喜んでくれる人がいる」と実感した。その後も数々の記録と記憶を刻みながら18年平昌五輪では右足首負傷を乗り越えて男子66年ぶりの2連覇を達成。「今度はちょっと自信を持って」被災地の人々が笑顔になってくれたと思った。

 両五輪の金メダルによる報奨金は全て仙台市と宮城県に寄付。自身が被災した場所で現在拠点とするアイスリンク仙台にも3144万円を寄付している(21年公表時点)。期待や注目は「一言で言うと、自分のスケートの源」。応援を力に変え、その結果を被災地に還元。その生きざまが国民栄誉賞スケーターたるゆえんだ。

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