【元横綱稀勢の里コラム】活躍続く我が部屋に期待のホープ入門 幕下がどういった「反応」見せるか楽しみ

2023年04月05日 07:00

相撲

【元横綱稀勢の里コラム】活躍続く我が部屋に期待のホープ入門 幕下がどういった「反応」見せるか楽しみ
二所ノ関部屋入門が決まったアマチュア横綱の中村泰輝 Photo By スポニチ
 二所ノ関部屋は今年に入ってうれしい話題が続き、盛り上がっています。1月の初場所では幕下の友風が3連敗からの4連勝で勝ち越しを決め、二所ノ関部屋で初の関取に。3月の春場所では幕下の龍王が7戦全勝で優勝しました。2人は昨年、尾車部屋から転籍しましたが、友風は大ケガで幕内から序二段まで番付を下げながら十両に復帰。龍王も入門から11年で初の各段優勝でした。師匠としてもうれしい限りです。
 龍王は幕下で結果を出せない中で預かる形となりましたが、その時から光るものは感じていました。きっと強くなると思い、基礎から見直して精進させました。まじめな性格で稽古を休まない。ウチの部屋では一番稽古をやります。当たり前といえば当たり前の結果なのかなとも思いますが、稽古はウソをつきませんでした。心優しくて力持ちというお相撲さんらしいタイプで下からも慕われています。私が参加した昨年の秋巡業にも連れていきました。いろんな経験をさせていくことも必要でしたし、自分の近くで見ておきたいという思いもありました。優勝が懸かった一番も落ち着きがあったし、それまでの経験が生かされました。夏場所は十両昇進のチャンス到来です。いつも通り基礎から作り直して、前に出る相撲を徹底すれば結果は伴います。やるだけですね。

 友風は歩けないほどの重傷からカムバックしました。私も絶対に十両に戻さないといけないと“使命”を感じていましたが、本人の地道な努力が実りました。春場所は久々に15日間の相撲で勝ち越しはしましたが、課題も見つかりました。完敗の内容もあり、劣勢の中でいかに自分の相撲を取り切るかということが大切になります。ケガをする前の相撲は100%取れない中で新しい相撲を追求していますので、進化してケガをする前より強くなってほしい。

 (十両以上が締める)白まわしが増えると「次は自分だ!」と若手の目の色が変わり活気ある稽古場になります。おかげさまで幕下が充実する中、2年連続アマ横綱で幕下10枚目格付け出しを承認された中村泰輝が入門しました。身長1メートル93に体重175キロの恵まれた体格、ガッツもあるし、性格もいい。楽しみな存在です。師匠としては、しっかりと体の使い方も教えていきたいと思います。加えて中村の加入で幕下がどういった「反応」を見せるか楽しみです。夏場所は3人の新戦力がデビューします。二所ノ関部屋勢の活躍に注目してください。(元横綱・稀勢の里)

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