ラグビー京産大　全国大学選手権初戦は23日VS早大　三木主将「まずは準々決勝」

2023年12月21日 07:00

ラグビー

　関西大学ラグビーAリーグで同校初の3連覇を飾った京産大が、全国大学選手権で初の日本一に挑む。初戦となる23日の準々決勝は、ヨドコウ桜スタジアム（大阪市）で早大と激突する。

　《劇的な逆転ゴール決めた辻野》京産大の大きな得点源がFB辻野隼大（3年＝京都成章）の右足だ。今季は得点ランキング3位となる65点をたたき出し、3連覇に貢献した。

　圧巻だったのは最終節の天理大戦だ。13―22で迎えた後半38分にハーフウエーライン中央から約50メートルのPGを決めて6点差に。試合終了間際には途中出場のプロップ川口のトライで1点差に迫り、最後は辻野が左中間からゴールキックを決めて逆転勝利を収めた。

　フランカーの三木主将から「おまえだけのキックじゃない。結果は俺が責任を持つ」と助言された背番号15。京都成章高時代から慕う先輩の思いに応え「優勝の景色を見せてあげたかった」と喜んだ。

　《雪辱期す》フランカー三木皓正主将（4年＝京都成章）が、先頭に立って新たな歴史を刻む。本来はプレーで引っ張るスタイルだが、高みを目指すため、仲間に対して厳しい姿勢で向き合ってきた今季。自分を見失ってコンディションを崩す時期もありながら、スタッフやチームメートに助けられて調子を取り戻してきた。2季連続で悔しさを味わっている大学選手権へ「もちろん優勝を狙うけど、まずは準々決勝」と気を引き締めた。

　《キーポイントは「セットプレー」》元日本代表SOで、就任3季目の広瀬佳司監督は、大学選手権に向けて「セットプレー」をキーポイントに挙げた。1点差で敗れた昨年度の準決勝・早大戦は本来の持ち味であるスクラムやラインアウトで劣勢に。「京産らしく戦わせてもらえなかった。最終節の天理大戦も良くなかったので、修正して臨みたい」と抱負を語った。就任後は2季連続4強で敗退。自分たちの強みを発揮し、今季こそ壁を乗り越える。

　▽大学選手権の展望
　3連覇を狙う帝京大が総合力で頭一つ抜けている。スクラムやモールの強さが際立ち、対抗戦を全勝で制した。フッカー江良颯主将（4年＝大阪桐蔭）、フランカー奥井章仁（4年＝大阪桐蔭）ら昨季の主力が多く残るのも強みだ。

　関東対抗戦2位の明大、3年連続で関西Aリーグを全勝で制した京産大が追う。明大はFWが強力で、バックスに走力のあるランナーが並ぶ。京産大は激しいタックルが持ち味のフランカー三木皓正主将（4年＝京都成章）を中心に、看板のFWで試合序盤から主導権を握りたい。

　関東リーグ戦6連覇の東海大、関東対抗戦3位の早大、関西2位の天理大も侮れない。天理大はリーグトップの12トライを挙げたNo・8パトリック・ヴァカタ（3年＝日本航空石川）が足首の負傷で初戦の3回戦を欠場。復帰できれば、その突破力に期待は膨らむ。