番数の多さに比例しなかった霧島の稽古内容 「残すこと」がテーマだった出稽古に綱獲りの機運高まらず
2024年01月10日 19:27
相撲
優勝した九州場所前も直前は30番以上をこなすハードな調整で、仕上がり良さと納めの場所への意欲の高さをアピールした。この日も33番と数字だけみれば“さすが霧島”といったところだが、内容的には物足りなさも感じた。北勝富士、豪ノ山ら立ち合いの強い突き押しとの稽古が多かったとはいえ、立ち合いから一気に前に出る相撲は皆無。この日のテーマを問われて「立ち合いで当たって、そこから残す稽古」と大関は答えたが、意識的に押そうとしても押せずにはたいたり、後ろに回り込んで送り出すなど持ち前の対応力に頼る相撲も散見された。
加えて懐に飛び込んで万全な態勢になっているのに、相手が万策尽きた頃合いで前に出る相撲も目立った。下の者に稽古をつけることも大関の役割だが、横綱という地位を目指す場所であれば、自分のための稽古にこだわることも必要ではないだろうか。
9日の稽古総見。横綱審議委員会の山内昌之委員長(東大名誉教授)には「圧倒的なところがなく、もう少し頑張ってほしい」と叱咤(しった)され、八角理事長(元横綱・北勝海)からも「大きな相手を前に持っていけなかった。力強さがないと上(横綱)は難しい」と指摘された。1人横綱の照ノ富士が3場所連続休場中のなか、霧島への期待は日増しに大きくなっている。細身の体でも豊富な稽古量で地力を強化。得意の形を持たず、非凡な対応力を武器に大関までは上りつめた。しかし横綱昇進は簡単に成就できるものではない。これぞ横綱になるべき人の稽古だと周囲をうならせるような強さを示すことが昇進への近道になる。
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