坂井丞 3大会連続五輪切符! レジェンド・寺内コーチと“再出発”「ありがとうございましたと伝えたい」

2024年02月08日 04:35

飛び込み

坂井丞 3大会連続五輪切符! レジェンド・寺内コーチと“再出発”「ありがとうございましたと伝えたい」
坂井丞 Photo By スポニチ
 【水泳世界選手権第6日 ( 2024年2月7日    ドーハ )】 男子3メートル板飛び込み準決勝で坂井丞(31=ミキハウス)が393・25点の8位となり、上位12人による決勝に進出して今夏のパリ五輪代表に事実上決まった。決勝で演技した時点で五輪出場枠が確定。日本水連は枠獲得者をパリ五輪代表にするため、3大会連続の五輪切符を手中に収めた。
 “新コーチ”の現役時代を連想させた。坂井は1本目から安定した演技を重ね、一度も2桁順位に落ちずに準決勝を突破。やや乱れた5本目307C(前逆宙返り3回半抱え型)も54・25点と致命傷に至らない内容で耐えた。3大会連続の五輪切符を手中に収め「緊張はしていたが、落ち着いてできた。一安心」と笑みを浮かべた。

 シンクロ板飛び込みで長年ペアを組んだ寺内健さん(43)が昨年9月に現役を引退した。昨夏の世界選手権代表を逃して連続出場が7大会で途切れていた坂井は長年師事した父・弘靖コーチ(61)と離れることを決断。所属するミキハウスのアドバイザーに就任した五輪6大会出場のレジェンドに「いい時も悪い時も一番近くで見ててくれた健君に指導を頼みたい」とコーチを依頼した。

 引退後、寺内さんは国内外から複数のコーチ就任オファーを受けたが「競技をずっとしていただけで、指導の知識はない」と固辞。それでも、幼少時代から知る弟分のために受諾し、昨年12月、今年1月と2度の国内合宿で計2カ月弱、直接指導に当たった。基礎から徹底的に見直し、トランポリンを用いた回転練習や踏み切りの動作を入念に確認。この日は都内で中継を解説し「私の慣れない練習計画から技術を習得し、ここまで進んできてくれたことを誇りに思う」と目を細めた。

 坂井は寺内さんに「ありがとうございましたと伝えたい」と感謝した。決勝進出した12人の中で難易率の合計は最も低いが、技の美しさを追求する戦略は寺内さんと同じ。レジェンドとともにパリまで突き進む。


 ◇坂井 丞(さかい・しょう)1992年(平4)8月22日生まれ、神奈川県相模原市出身の31歳。麻布大渕野辺高(現麻布大付高)、日体大を経て、ミキハウスに所属。両親、姉、妹も競技経験のある飛び込み一家で、5歳の時に初めて大会に出場した。男子板飛び込みで16年リオデジャネイロ五輪出場。21年東京五輪は寺内健と組んだ男子シンクロ板飛び込みで5位入賞した。世界選手権は今大会が8大会目の出場。1メートル71、65キロ。

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