元十両・栃丸が5戦全勝 鳩岡に龍王、颯富士…長期休場明けの実力者たちが序二段で再出発の春
2024年03月19日 06:48
相撲
鳩岡は自己最高位が東幕下14枚目。高校時代から度重なる膝の大ケガに苦しんでおり、プロ入り後も長期休場を2度経験している。昨年秋場所から3場所連続全休することになった原因は、左膝の膝蓋腱断裂。両膝を左右合わせて3回手術しており、肩の脱臼や手の指の脱臼、上腕二頭筋腱断裂なども過去に経験しており満身創痍だ。
それでも諦めないのは、同部屋同期の美ノ海と一緒に幕内で活躍するという大きな目標のため。「幕内で勝つ力士になれると思ってやるしかない。“夢”だと叶えられない感じがするから“目標”として口に出すようにしている」。何度大ケガをしても、這い上がる気力はまだまだ十分だ。
東序二段6枚目の龍王(30=二所ノ関部屋)も同じく3場所連続の全休を経て今場所から復帰し、この日勝って5戦全勝とした。1年前の春場所では幕下優勝。翌夏場所は十両昇進目前の東幕下3枚目だった。しかし、昨年秋場所直前に右足のアキレス腱を断裂。現在の回復具合は「3~4割」だが「つらい思いをしたので、今場所は一つ一つの白星のありがたみが分かってうれしい」と土俵に上がれる喜びをかみしめている。
東序二段3枚目で元高校横綱の颯富士(22=伊勢ケ浜部屋)は、昨年名古屋場所中に左足首を内果骨折。当初は九州場所での復帰を目指していたが、もう一度同じ箇所をケガして再び手術した。休場中に静岡・飛龍高の1年後輩にあたる熱海富士が幕内で大活躍しており「後輩が上がっていくのを見て焦ってしまった」と振り返る。「無理しないように」と細心の注意を払いながらも、実戦稽古がほとんど再開できないまま4場所ぶりに復帰した今場所、初日はまさかの黒星だった。「まだ前に出る怖さがある」。それでもその後は3連勝と星を伸ばした。
関取経験者や、十両昇進まであと一歩の番付まで上がった経験のある者。焦らずにしっかりケガを治すことが最優先だが、早く番付を戻したい思いも強く持っている。それぞれの決意を胸に、再出発の春を迎えている。
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