人生に疲れたときのリフレッシュ方法を紹介。寝不足や栄養不足が原因かも...[薬剤師解説]

2024年04月19日 09:00

人生に疲れたときのリフレッシュ方法を紹介。寝不足や栄養不足が原因かも...[薬剤師解説]
毎日懸命に生きていると、ふとした瞬間に「人生に疲れた」と考えてしまうこともありますよね。原因がわからずもやもやしていたら…

毎日懸命に生きていると、ふとした瞬間に「人生に疲れた」と考えてしまうこともありますよね。原因がわからずもやもやしていたら、実は寝不足や栄養不足のせいだった、という場合もあります。

そんなとき、どうやってリフレッシュしたらいいのでしょうか。人生に疲れたと感じる瞬間や原因と一緒に、おすすめのリフレッシュ方法を紹介します。

「人生に疲れた」と感じる3つの瞬間

大人が「人生に疲れた」と感じるときは、以下のような状況が多いです。

職場でトラブルがあったとき

職場にいると、毎日いろいろなストレスにさらされますよね。順調だと思っていた仕事が他の誰かのミスで台無しになり、がっくりしてしまうこともあるでしょう。到底達成できないようなノルマを設定されてプレッシャーがかかってしまったり、連日の残業で疲れてしまったりする方もいます。

上司や同僚、取引先と揉めて人間関係に疲れてしまうこともあります。気の合わない人とも大人の付き合いをしなければならない職場だからこそ、人間関係のトラブルで悩む方は多いですよね。

職場でのトラブルは、周りの人のせいばかりとは限りません。自分のミスによって周りの人に迷惑をかけることも、落ち込む原因になるでしょう。周りの人が「気にしなくていいよ」と言ってくれるほど、罪悪感で落ち込んでしまうのも無理はありません。

友達とうまくいかなかったとき

気の合う友達との付き合いでもストレスがかかり、「人生に疲れた」と感じる要因になることもあります。

今までは普通に交流していたのに、ちょっとした行き違いで喧嘩になってしまい、お互いにもやもやを抱えてストレスがたまることもあるでしょう。「友達なのに、どうして理解してくれないんだろう」という思いも、ストレスのもとなる恐れがあります。

友達の環境と自分を比較して落ち込んでしまう方もいます。「友達は仕事も順調で家族仲もいいのに、自分は仕事でも失敗ばかりで家庭でも居場所がない」という状況だと、「自分の人生を生きるのに疲れてしまった」なんて気持ちになるのではないでしょうか。

家族関係で問題があったとき

家族との関係で悩んでしまう方もいるでしょう。

夫婦仲が悪くて喧嘩ばかりだったり、子どもの反抗期だったりすると、疲れてしまうことがあります。また、自分の家族だけがストレスの原因になるとは限りません。両親や義両親との関係や介護の問題、自分や配偶者の兄弟との関係がストレスになってしまうこともあります。

「人生に疲れた」と感じる原因は?

人生に疲れたと感じてしまうときに考えられる主な原因を3つ紹介します。自分が当てはまっていないか、悲観的になる前に確認してみましょう。

寝不足

「最近は睡眠時間が足りていない」と心当たりがある方もいるのではないでしょうか。

一般的に必要だといわれている年齢ごとの必要な睡眠時間は、以下の通りです。

  • 25歳:約7時間
  • 45歳:約6.5時間
  • 65歳:約6時間

体力や体質によって個人差はあるものの、上記の睡眠時間を確保できていなければ、睡眠不足で「人生に疲れた」という気持ちになっているかもしれない、と疑った方がいいでしょう。

また、睡眠時間は足りていても、睡眠の質が低くて疲れがとれていない可能性があります。睡眠の質を高めるために、寝る2~3時間前には入浴を済ませたり、起床したときに太陽の光を浴びたりしましょう。

とくに、日光を浴びることで分泌される「セロトニン」という神経伝達物質は、睡眠の質に大きな影響を与えます。日光を浴びて分泌されたセロトニンは、14~16時間後に「メラトニン」というホルモンに変わり、睡眠の質を高めます。

その他にも、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、分泌されると幸せな気持ちになるといわれています。規則正しい生活をして、積極的にセロトニンの分泌量を増やしましょう。

栄養不足

栄養が不足することで、幸福度が落ちることもあります。

豆腐や納豆、バナナに多く含まれる「トリプトファン」は、前述のセロトニンの原料となる物質です。体内では合成できないため食品から摂取しましょう。

また、ビタミンDやビタミンB1、葉酸などの栄養が不足すると、うつ病を発症する方が増えるといわれています。ビタミンDはきのこ類や魚介類、ビタミンB1は豚肉やナッツ、葉酸は納豆やレバーに多く含まれています。日々の献立を見直し、これらの食材が不足している方は意識的に摂ってくださいね。

キャパオーバー

自分で仕事や家事、介護といったタスクを抱え込みすぎると、キャパオーバーになって気持ちに余裕がなくなります。その結果、「人生に疲れた」と悲観的な気持ちになってしまう方もいるでしょう。

責任感が強いことはいいことですが、あまり無理をしないようにしましょう。ときには家族や友達、同僚といった周りの人を頼ってくださいね。

「人生に疲れた」ときのリフレッシュ方法

人生に疲れたと感じたときは、その気持ちをリフレッシュさせ、また前を向けるように準備をしましょう。おすすめのリフレッシュ方法を5つ紹介します。

睡眠時間を確保する

前述の通り、睡眠の時間が短かったり質が悪かったりすると、からだが疲れて気分が落ち込みがちになります。あまり眠れていないという方は、睡眠時間を確保しましょう。

また、寝具やパジャマを肌触りのいい素材にしたり、寝室を暗くして眠りにつきやすい環境を整えたりすることも大切です。

仕事が忙しくて十分な睡眠時間を確保できないという方には、昼寝が効果的。昼寝をすることで眠気が軽減されるだけではなく、ストレスや疲労を軽減する効果もあるといわれています。疲れがたまっている方は、10~20分を目安に昼寝の時間を確保しましょう。

食事の内容を見直す

普段の食事を見直して、自分に必要な栄養素が足りているかチェックしましょう。

前述の通り、トリプトファンが不足していると睡眠の質が下がる恐れがあります。トリプトファンの摂取目安量は、成人の場合は体重1kgあたり4mgです。つまり、体重60kgの方は240mgのトリプトファンが必要となります。豚バラ肉は100gあたり160mg、納豆は100gあたり250mgのトリプトファンが含まれています。

食材から簡単に摂取できる栄養素ですので、意識的に摂りましょう。

食事の栄養バランスが崩れていると疲れがたまり、悲観的になることもあります。疲れているときは、からだを動かすエネルギー源となる炭水化物・タンパク質・糖質の三大栄養素を摂りましょう。

誰かに話を聞いてもらう

ストレスがたまっているときは、誰かに話を聞いてもらうだけでも効果的です。信頼できる人に自分の気持ちを吐露してストレスを解消しましょう。

「周りの人に悩みを言うのは苦手」という方は、SNSに投稿したり、紙に悩みを書き出して捨てたりするのも効果的です。自分の中だけで抱え込んでいるとストレスがたまっていくので、どこかでアウトプットしましょう。

パレートの法則を活用する

人間関係に悩んだときは、「パレートの法則」を思い出すのも効果的です。

パレートの法則はマーケティング分野で用いられる考え方で「仕事の成果の8割は、費やした時間のうち2割で生み出している」や「企業の売上の8割は、全体の2割の顧客が生み出している」といった解釈が代表的です。

2:6:2の法則が役に立つ

そしてこのパレートの法則から派生した考え方が「2:6:2の法則」です。「働きアリのうち、必死に働いているのは2割のアリで、6割のアリは普通に働き、残り2割は怠けている」という説を聞いたことはないでしょうか。

必死に働いているアリだけを集めて新たな集団を作ったら、全てのアリが必死に働くと思いますよね。しかし、なぜか全体の2割は怠けるといわれています。つまり、必死に働くアリの割合も怠けるアリの割合も、変えることはできないのです。

この法則を人間関係に置き換えると、ストレスが緩和されるといわれています。

人間関係では「自分に対して好意的に思う人は2割、とくに何も思っていない人が6割、自分のことを嫌う人間は2割」と考えましょう。「自分が何をしても、どんなに努力しても2割の人から嫌われるのは仕方ない」と考えると、人間関係のトラブルがあったときも少しは気が楽になるのではないでしょうか。

逆に、「自分がどんなに失敗しても2割の人は好意を持ってくれる」と考えれば、少し救われた気持ちになれますよね。

周りの人にタスクを振り分ける

自分がキャパオーバーで悲観的になっているときは、自分の周りの人にタスクを振り分けましょう。

職場であれば、自分の苦手分野が得意な人に助けを求めましょう。残業が続いている場合は同僚に助けを求めたり、上司に仕事量の見直しを相談するのもおすすめです。

家庭であれば、配偶者や子どもに助けを求めましょう。役割分担を決めて、自分1人でタスクを抱え込まないようにすることが大切です。お金はかかりますが、家事代行やベビーシッター、ケアマネージャーなどに相談するのもおすすめですよ。

リフレッシュできる環境が大事

前述のリフレッシュ方法を試すことで、徐々に心身の疲れが回復していくでしょう。しかし、「少しずつではなく、とにかく今リフレッシュしたい!」というときもありますよね。

そんなときに今すぐできるリフレッシュ方法を紹介します。

たとえば、天然アロマを利用するリラックス法は即効性があるといわれています。アロマの香りを嗅ぐと自律神経のバランスが整い、副交感神経が優位になります。それにより、からだの緊張がほぐれてリラックスモードに入るでしょう。一般的に、ラベンダーやベルガモットの香りがリラックス効果をもたらすといわれています。

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日光浴や森林浴などで自然に触れるのもおすすめです。10分だけでもいいので、家の周りを歩いてみましょう。有酸素運動によって気分転換をすれば、夜にぐっすり眠れるでしょう。

普段から仕事に追われていたり、頻繁にSNSのチェックをしてしまったりするという方は、デジタルデトックスもおすすめです。スマートフォンやパソコンから距離を置き、見ない時間を作りましょう。1時間だけでもデジタル機器から離れることで、いつもとは違う時間の使い方ができ、リフレッシュできるかもしれません。

人生に疲れたらリフレッシュしよう!

毎日忙しく過ごしているからこそ、「人生に疲れた」と思う日もありますよね。そんなときは、無理は禁物。自分に合うリフレッシュ方法で気分転換をしてくださいね。

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

<Edit:編集部>

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