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古江彩佳が涙のメジャー制覇「気持ちは晴らせたかな」 パリ五輪逃した悔しさ胸にフランスで日の丸掲げる

2024年07月15日 11:22

ゴルフ

古江彩佳が涙のメジャー制覇「気持ちは晴らせたかな」 パリ五輪逃した悔しさ胸にフランスで日の丸掲げる
メジャー初優勝を飾り、トロフィーにキスする古江(AP) Photo By AP
 【米女子ゴルフツアー エビアン選手権最終日 ( 2024年7月15日    フランス エビアン・リゾートGC=6527ヤード、パー71 )】 1打差2位から出た古江彩佳(24=富士通)が1イーグル、6バーディー、2ボギーの65で回り、通算19アンダーで逆転し、涙のメジャー初制覇を飾った。終盤に圧巻のチャージを見せ、最終18番パー5のスーパーイーグルで頂点に立った。22年スコットランド・オープンに続く米ツアー通算2勝目。樋口久子、渋野日向子、笹生優花に続く日本人女子4人目のメジャー覇者となった。
 運命の一打は、グリーン手前に広がる池をぎりぎり越えた。首位に並んで迎えた最終18番パー5。果敢にピンを攻めた古江の第2打は5メートルに寄った。鮮やかなイーグル締めに笑顔で右手を上げる。そして時にして数秒。すぐにこみ上げてきた涙を両手で拭った。

 「ありえないくらいうれしい。今までにないくらい緊張した。我慢のゴルフだったけど、自分を信じてやれて最後につながった」

 1打差を追った最終日は中盤まで我慢の展開。一時、3打差に開いてもじっと時機をうかがった。14番で10メートルをねじ込み、反撃開始。3連続バーディーを奪って首位に迫る。ライバルがスコアを落とす中、堅実にパーを拾い最終ホールにつなげた。勝、西村ら日本の仲間からの祝福のシャンパンを気持ち良さそうに浴びた。

 今季開幕前、「パリオリンピックを目指す」と宣言した。前回21年東京五輪で一歩届かず、悔し涙を流した経験があったからだ。トップ10入り8度と結果を残して“圏内”で迎えた代表決定最終戦の全米女子プロ選手権。だが無情にも再び五輪切符を目前で逃した。「優勝争いをした時に勝てておけば…」。あふれる悔しさを胸にしまい込んだ。

 日本に帰国し、向かったのは原点の地だ。高校卒業後の研修生時代、腕を磨いた六甲国際GC。コーチでもある父・芳浩さんとハンドファーストになりすぎていた構えに調整を施した。持ち前の高精度のショットを取り戻し、メジャーの舞台に戻ってきた。
 3歳で初めてクラブを握り、父と2人、時にケンカをしながら練習を積んできた。5歳の時のこと。練習場で「お嬢ちゃんうまいなあ」と声をかけられ、「うちはタイガー・ウッズと戦うんや」と返したことがある。その時から、世界一への視線はぶれなかった。

 レマン湖を見下ろす美しい山岳コースはグリーンにもフェアウエーにも起伏がある難コース。正確なショットと勝負どころで見せた圧巻のパッティングで攻略し、世界の頂点に立った。大会恒例の表彰セレモニーでは国旗を羽織り、君が代の演奏が流れる中で祝福を受けた。「パリには行くこともできなかったけど、フランスのメジャーで勝てて気持ちを晴らせたかな」。古江はそう言ってまた、涙を拭った。
  

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