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照ノ富士 10度目V 休場明け進化して帰ってきた 決定戦で横綱の「責任」

2024年07月29日 05:20

相撲

照ノ富士 10度目V 休場明け進化して帰ってきた 決定戦で横綱の「責任」
<大相撲名古屋場所千秋楽>優勝決定戦で隆の勝を下した照ノ富士(右)(撮影・長嶋 久樹) Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所千秋楽 ( 2024年7月28日    ドルフィンズアリーナ )】 横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)が3場所ぶり、歴代11位タイとなる10度目の優勝を果たした。大関・琴桜(26=佐渡ケ嶽部屋)との本割は上手出し投げで敗れたが、3敗で並んだ平幕・隆の勝(29=常盤山部屋)との優勝決定戦を寄り切りで制した。65年から会場となったドルフィンズアリーナでは最後の名古屋場所で、節目の2桁Vに到達した。
 優勝決定後の花道で大きく息を吐いた。その瞬間、照ノ富士の表情が和らいだ。口にしたのは10度目優勝の興奮よりも相撲内容への手応え。「理想的な相撲に近づくことができた。入門して14年、毎日目指した相撲が完成した実感がある」と感慨を込めた。

 過去6戦全勝だった琴桜に本割で敗れても動揺はない。優勝決定戦の隆の勝戦ではもろ差しを許し、後退したが、そこから綱の底力を見せる。小手投げを打ち、得意の右を差し込んで流れをひっくり返した。

 2場所連続の休場明け。序盤2日目の明生戦から一気に出力を上げた。2秒7で勝負を決めると以後、10秒未満の土俵で4連勝。10秒未満の取り組みは8勝に達し「豪快」に代わる「速攻」の横綱像を示した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も「腰や膝も悪いのにいいの?」と驚きを隠せなかった。

 65年から名古屋場所の舞台となったドルフィンズアリーナは今場所が最後。7月場所の優勝は20年以来2度目だが前回は新型コロナ禍の影響で東京・両国国技館で開催。名古屋では初めて賜杯を抱いた。

 掲げた目標は口にするのが照ノ富士の流儀。「果たさないと…って責任感が出る」と言う。21年九州場所。年間4度、通算6度目の優勝を自身初の15戦全勝でかなえると「来年は2桁優勝」と誓った。腰や膝のケガで公約達成は遅れたが「ホッとしてます。約束したことを果たせた」と実感を込めた。

 番付上の一人横綱は17場所目。歴代2位・白鵬(現宮城野親方)に並び、朝青龍の21場所に迫った。貴景勝が大関から陥落し、関脇・霧島が1場所での復帰を逃した。「照ノ富士時代」はまだしばらく続きそうだ。

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