【元横綱・稀勢の里コラム】妙義龍、碧山が引退「花のロクイチ組」現役関取は宝富士だけに
2024年10月02日 07:00
相撲
碧山ははまった時の馬力がすごかった。突き押しにこだわりを持っていましたし、太い腕で左右均等に突っ張ってくるので受け止めるのも大変。はたきもあるので、距離感も難しい相手でした。同学年といっても現役時代はあまり意識することはありませんでしたが、私が引退してからは何歳までやれるのだろうかなど気になる存在ではありました。2人とも苦労も多かったので、その経験を後輩らに伝えてくれそうです。61年組の現役関取は宝富士だけになりましたが、北ハリ磨らも頑張っていますし、一日でも長く土俵に上がり続けて世代のレベルの高さをアピールしてほしいと願っています。
貴景勝は最後はケガとの闘いがメインになっていましたがよく頑張りました。首は私も痛めたことがありますが、致命的なケガで命にもかかわるもの。最近は頭でぶちかましても途中で動きが一瞬止まってしまうことも散見された。首の怖さを分かっている身としても負担は大きいと心配していました。ケガに苦しみながらも優勝4回は評価に値します。
28歳での引退。確かに、まだできるという声もあったかもしれません。個人的には、ひと安心というか、引退はいい判断だったと思います。指導者として、いい力士を育ててくれると期待しています。 (元横綱・稀勢の里)