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ほうじ茶が持つ6つの効能とは。栄養を引き出す効果的な飲み方、飲み過ぎの注意点

2024年10月08日 09:00

ほうじ茶が持つ6つの効能とは。栄養を引き出す効果的な飲み方、飲み過ぎの注意点
ほうじ茶といえば、その香ばしい香りが印象的ですよね。 優しい味わいは年齢を問わず愛され、最近ではスイーツや料理にも頻繁に…

ほうじ茶といえば、その香ばしい香りが印象的ですよね。

優しい味わいは年齢を問わず愛され、最近ではスイーツや料理にも頻繁に使用されています。このほうじ茶、実はおいしさだけでなく、さまざまな健康効果も秘めているのです。

この記事では、ほうじ茶の効能と種類、おいしく淹れるためのコツをご紹介します。

ほうじ茶に期待できる効能

ここでは、ほうじ茶の持つ6つの健康効果について詳しく解説します。

1. リラックス効果

ほうじ茶に含まれる成分「ピラジン」と「テアニン」には、リラックスを促進する作用があります。

香り成分ピラジン

焙煎過程で生まれるピラジンは、ほうじ茶特有の香ばしさの源です。

この香りを嗅いだとき、ほっと心が和む瞬間を感じたことはありませんか? ピラジンの独特な香りは、ストレスを軽減し、心を落ち着かせる効果があります。

緑茶に含まれる旨味成分テアニン

また、テアニンには精神の安定をもたらす作用があります。

テアニンが体内に入ると、脳内でα波が増加し、リラックスしつつも脳の働きが活性化されるため、ストレス解消や記憶力の向上、集中力の増加が期待できます。

ただし、焙煎度が高くなるほどテアニンの含有量は減少するため、リラックス効果を得たい場合は浅煎りのほうじ茶を選ぶと良いでしょう。

2. 脂肪燃焼をサポートする

ほうじ茶に含まれるカテキンには脂肪燃焼を助ける効果があります。

一般にカテキンは緑茶に多く含まれるイメージがありますが、ほうじ茶にも浅煎りであれば100ml中に約20mg存在しています。

一定量のカテキンを継続的に摂取することで、内臓の代謝が上がり、脂肪燃焼が促進されることが研究によって示されています。

血糖値の急上昇を抑える

加えて、カテキンは血糖値の上昇を抑える効果もあり、食前に飲むとその効果を高めることができます。

さらに、ほうじ茶にはカフェインも含まれており、カフェインには脂肪燃焼を助ける作用もあります。カテキンとカフェインの相乗効果により、より効率的に脂肪を燃焼できる可能性があるのです。

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3. 抗酸化作用

カテキンには抗酸化作用もあり、活性酸素を除去する役割を果たします。

私たちは常に酸素を取り入れていますが、その一部が活性酸素に変わることがあります。活性酸素は免疫機能に貢献する一方で、過剰になると細胞を傷つけ、老化や疾病の原因となります。

カテキンが抗酸化作用を持つことで、身体が受けたダメージを修復する手助けをしてくれます。

4. 美肌づくりのサポート

ほうじ茶は美しい肌を保つためにも役立ちます。

肌の老化は活性酸素の増加だけでなく、紫外線やストレス、食品添加物などの影響も受けます。ほうじ茶に含まれるカテキンは、これらの活性酸素を除去し、肌の老化を防ぐ働きがあります。

5. 体臭・口臭の改善

ほうじ茶は体臭や口臭の改善にも寄与します。体臭の改善には、ほうじ茶に含まれる香り成分のゲラニオールが関与しています。

ゲラニオールはバラやゼラニウムの香り成分であり、飲むことで汗や皮膚から放出されることが知られています。これにより、体臭を和らげる効果が期待できるのです。

口臭の原因のひとつは、口内の細菌の増殖です。唾液は口内を清潔に保つ役割がありますが、乾燥や加齢により唾液の量が減少すると、菌が増殖して口臭の原因になります。

ほうじ茶に含まれるカテキンやクロロフィルは、これらの細菌の増殖を抑える効果があり、特に食後に飲むことで口内環境を整えることができます。

6. 冷えの改善

ほうじ茶は血流を促進することで、冷えの改善にも寄与します。とくに手足の冷えに悩んでいる方には、ほうじ茶の香り成分ピラジンが血管を拡張する作用があり、血流を改善する効果があります。

さらにカテキンはコレステロールを下げる働きがあり、血液をサラサラにすることで全身の血流を良くし、冷えを緩和します。

ほうじ茶ラテなどにして生姜などの温まる食材と一緒に摂取することで、その効果をさらに実感できるでしょう。

ほうじ茶と他のお茶、何が違う?

ほうじ茶は「緑茶を焙じたもの」であり、「焙じる」とは火であぶって水分を飛ばし、香りや風味を引き出す工程を指します。

ほうじ茶と緑茶は同じ茶葉から作られますが、緑茶は発酵させないためカテキンやカフェインが豊富に含まれています。

一方、ほうじ茶では焙煎によりこれらの成分が減少し、代わりにピラジンなど独特の香ばしい風味が生まれます。

焙煎作業がほうじ茶の風味や効能の源であることが、「焙じ(ほうじ)茶」という名前の由来にもなっています。

ほうじ茶には種類がある

ほうじ茶には、茶葉のほうじ茶と茎のほうじ茶の2種類があります。

葉ほうじ茶

茶葉を使用したほうじ茶で、ほうじ番茶やほうじ煎茶などがあり、軽やかでさっぱりとした味わいが特徴です。

雁が音ほうじ茶、棒ほうじ茶

茶葉の茎を使用したほうじ茶で、特に加賀棒ほうじ茶が有名です。香り高く、旨味のある風味が楽しめます。

ほうじ茶にも多くの種類があり、それぞれ異なる風味や香りがありますので、いろいろ試して自分好みのほうじ茶を見つけてみてください。

ほうじ茶をおいしく淹れるコツ

健康効果を期待できるほうじ茶を、自宅でおいしく楽しむためのコツは、お湯の温度にあります。

ほうじ茶を淹れる際は、沸騰したお湯を使用しましょう。熱いお湯を一気に茶葉にかけることで、芳醇な香りを引き出すことができます。

水出しほうじ茶の場合

冷たいほうじ茶を楽しみたい方には、水出しがおすすめです。手軽に作れ、香りをそのまま楽しむことができます。

水出しの際は、抽出後にティーバッグを早めに取り出すことで、傷みを防ぎ、ほうじ茶の風味を保つことができます。

冷えたほうじ茶は、暑い季節の水分補給やおもてなしにもぴったりです。

ほうじ茶を飲む際の注意点

さまざまな健康効果が期待できるほうじ茶ですが、飲む際には注意が必要です。

1. 飲み過ぎに注意

ほうじ茶には100mlあたり約20mgのカフェインが含まれています。これは一般的な緑茶と同程度の量です。カフェインに敏感な方や、妊娠中・授乳中の方は飲む量に注意しましょう。

2. 腎臓疾患をお持ちの方

腎臓に問題がある方は、カリウムの摂取に気をつける必要があります。ほうじ茶にはカリウムが含まれているため、過剰摂取は避けた方が良いでしょう。

腎臓疾患をお持ちの方は、医師に相談することをおすすめします。

<参考文献>
※1 寺島 健彦ほか「環状テアニンの脳線条体からの脳内神経伝達物質の放出に及ぼす影響について」
※2 高知県農業技術センター「ほうじ茶の焙煎程度と内容成分」
※3 日本農芸化学会「カフェイン コーヒーと茶の機能性と新たな展望」
※4 笹木哲也,道畠俊英,榎本俊樹「金沢の伝統食品「棒茶」の香気成分」
※5 秋山朝子ほか「固相マイクロ抽出及び加熱脱着ガスクロマトグラフィー/質量分析計によるヒト皮膚から放出される香気成分の定量」
※6 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
※7 国立精神・神経医療センター「カフェインと睡眠」

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

<Edit:編集部>

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