巨人執念勝利で虎マジック点灯阻止
2008年07月22日 06:00
野球
「胸をつき合わせるだけではなく、思い切ったプレーをしようと。きょうはたまたま相手のいい守備でアウトになったけどね」
原監督が振り返った場面は3―1の8回2死一、二塁。打者・高橋由のカウント2―2からダブルスチールのサインを出した。二塁走者・坂本が刺され追加点はならなかったが、仕掛けたことに意味があった。
指揮官は試合前からアグレッシブだった。猛暑の中、自らノックバットを握り、坂本の守備練習に付き合った。前日に三塁で失策した二岡には、構え方など守備面でのアドバイスを送った。積極的な動きは継投にも表れた。好投の先発・木佐貫が7回に1点を失うと、赤星の打席で左の山口にスイッチし、ピンチを切り抜けた。「全く代える材料はなかったけど、山口が非常に良かったからね」。選手を信頼している上での采配だった。
伏兵の一発も演出した。4回2死一塁。鶴岡が岩田の内角直球を左翼席に運んだ。移籍後初アーチに「1打席目はチャンスで凡退していたので、開き直った。(移籍初本塁打は)気持ちいいですね。全力で振って走って、ハッと見たら入っていた」。2回の第1打席。2死一、三塁で空振り三振に倒れていた。ベンチに帰ると篠塚、村田両打撃コーチから「ポイントを前にして思い切り振れ」とアドバイスを受けた。三振した球と同じ球をしっかりとらえた。
北京五輪で阿部が抜けることから、今季3度目のスタメンマスクを鶴岡に任せた。「北京五輪もあるし、慎之助がいるうちにチームを把握してもらいたい」。首位・阪神相手に経験を積ませる策も当たった。3戦3敗だった岩田を初めて攻略したことも大きかった。
8回からマウンドに上がった豊田は、1死から鳥谷の強烈な打球を好捕。だがグラブに球が挟まり、グラブごと一塁へ投げた。内野安打となったが気持ちが表れたプレーだった。
原監督は22日が50歳の誕生日。40代最後の白星には「それはノーコメント」と満足そうに笑った。
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