ヤクルト原樹理プロ初完封 カネやん以来球団63年ぶり!巨人戦2桁K無四球

2018年08月17日 05:30

野球

ヤクルト原樹理プロ初完封 カネやん以来球団63年ぶり!巨人戦2桁K無四球
<ヤ・巨>完封勝利の原(中央)は西浦(左)からウイニングボールを受け取る(撮影・荻原 浩人) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   ヤクルト7―0巨人 ( 2018年8月16日    神宮 )】 123球目。最後の打者・岡本をシュートで左飛に仕留めると、ヤクルトの原はマウンドで両膝に手をついた。安ど感に包まれ、喜びがこみ上げてきた。
 「まさか(完封)できると思っていなかったので、うれしい気持ちでいっぱいです」。散発4安打で二塁すら踏ませなかった。初の2桁となる12三振を奪い、プロ初の完封勝利だ。

 「(完封を意識したのは)9回から。それまでは1点取られても良いから、どんどん行こうと思った」。最速150キロの速球に、シュートとスライダーをコーナーに投げ分けた。テンポの良さは打線にも好影響をもたらし、二塁手の山田哲は「樹理のおかげで7点取れた」と感謝した。

 東洋大から15年ドラフト1位で入団。3年目の今季は開幕ローテーション入りも勝ち星がつかず、中継ぎに一時配置転換されたが「中継ぎを経験して一つ一つのアウトの積み重ねが大事だということに気づいた」という。

 アウトの積み重ねだけでなく、ファンも大事にする。神宮での練習後、登板日以外は約20分かけてサイン。オリックスのファンクラブに入っていた小学時代、ほっと神戸で日本ハムのヒルマン監督にサインをもらった。「初めてもらったサイン。うれしくて、色紙を(実家の)部屋に飾った。子供が少しでも野球に興味を持ってくれたら」

 巨人戦で2桁三振を奪っての無四球完封勝利は、球団では1955年の金田正一以来、63年ぶり。先発に再転向後は自身3連勝。今季4勝目で2位に浮上させた3年目右腕に、小川監督も「樹理に尽きる」と称えた。この日は兵庫県内から来た84歳の父・敏行さんら家族がスタンドから応援。孝行息子は愛車に乗り込む直前、クラブハウスに記念球を取りに戻り「ボールは父に」と照れ笑いを浮かべた。 (細川 真里)

 ≪63年ぶりチーム2人目≫原(ヤ)が4安打無四死球完封で今季4勝目。自身完封勝利はプロ入り初めて。ヤクルト投手の巨人戦無四死球完封は15年4月25日に石川がマークして以来。また、この日は自己最多の12奪三振。巨人戦に2桁奪三振で無四球完封勝利だと55年8月24日に金田が10三振を奪って記録して以来63年ぶりチーム2人目だ。

 ≪被打率が軒並み向上≫ヤクルト・原の開幕直後の先発時と中継ぎを経て先発復帰以降の球種別被打率を比較すると、軒並み向上しているのが分かる。以前はシュートに頼る傾向があり、そのシュートを・377と痛打されていた。先発復帰以降は、直球が・250→・130、スライダーが・167→・042と大幅に下がった。この試合もスライダーは14打数無安打。直球、スライダーの精度が上がったことで、武器のシュートも効果的になっている。

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