多才ぶり評価 筒香、山口、菊池 “バーサタイル侍”は来季メジャーで輝けるか

2019年12月19日 13:04

野球

多才ぶり評価 筒香、山口、菊池 “バーサタイル侍”は来季メジャーで輝けるか
レイズの入団記者会見で笑顔の筒香。右はキャッシュ監督、左はニアンダーGM(AP) Photo By AP
 今オフの日本選手のメジャー挑戦では「versatile=バーサタイル」がキーワードとなった。直訳すると「多用途」。日本ではユーティリティーの方がなじみがある。
 筒香嘉智はレイズ入団が決まり、「三塁手兼外野手」と球団リリースに明記された。好不調や相手投手とのマッチアップで多くの選手を柔軟に起用するレイズでは、DHや左翼だけでなく、三塁や一塁も守れる点がフィットする。あくまで打力に期待し、少しでも多く試合に出て打席に立ってもらうために、バーサタイルな要素も球団側はほしかった。

 山口俊はブルージェイズと契約合意した。マーク・シャパイロ球団社長兼CEOは「he’s a guy that has some versatiliy(彼は活躍の幅が広い)」と評価する。日本で通算64勝112セーブ。「ブルペンも経験があるし、先発もできる」。まだ先発ローテーションは3枚までしか埋まっておらず、山口は4、5番手の座を若手有望株と競った上で、状況次第では中継ぎでも活躍してくれると期待されている。

 菊池涼介はまだ契約合意に至っていないが、代理人のマイク・シール氏が売り込む一つがバーサタイル。近年では二塁一本だが、若手時代は三塁と遊撃でも出場経験がある。獲得に興味を示したレッドソックスは、「二塁以外もこなせる器用さを持っている」と評価するという。

 米国でも「ユーティリティー選手」という言葉は使われるが、近年では「versatile athlete」という表現が目立つ。バーサタイルには「多芸な、多才な」というよりポジティブな意味合いが含まれる。器用貧乏ではなく、戦術の近代化に伴い、確実に評価されるポイントとなった。

 ちなみに日本ではあまり聞き慣れない言葉かもしれないが、実は我々の身近にもある。近年はブルーレイに押され、めっきり影が薄まったDVD。昔流行ったひっかけ問題。実はこれ「デジタル ビデオ ディスク」の略と思われがちだが、実際は「デジタル バーサタイル ディスク」の略が正解。映像だけでなく、写真や音楽、文書など多くのものを保存できる多用途性から。変化の速度が速まった現代メジャーで、侍たちはバーサタイルに輝けるか。(記者コラム・後藤 茂樹)

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