中日・大野雄 「藤川さんと一緒」で選んだ背番号22の輝き 連続完封で決めた5試合連続完投勝利

2020年09月02日 05:30

野球

中日・大野雄 「藤川さんと一緒」で選んだ背番号22の輝き 連続完封で決めた5試合連続完投勝利
<中・広(13)>力投する先発の大野雄(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   中日5-0広島 ( 2020年9月1日    ナゴヤドーム )】 まるで火の玉のような直球で背番号22が相手打者をねじ伏せた。
 8回1死。中日・大野雄は前打席で唯一、安打を打たれていたメヒアに直球を3球続けて内角へ投じた。見逃し、空振り、ファウル。前に飛ばない。追い込むと最後は141キロフォークを落として空振り三振に仕留めた。

 「良かったのはやっぱり、真っすぐ。意識してくれているからフォークで空振りを取れる」

 最速150キロの直球を軸に9回まで11個の三振を積み上げると、二塁すら踏ませず0を並べた。権藤博らの球団記録に並ぶ5試合連続完投勝利を2試合連続の完封勝利で達成し5勝目。「記録は頭のどこかにあるが、意識してしまうとよくない。試合をつくることを目標にした」と大野雄。打撃では5回1死三塁のボテボテの投ゴロがV打となった。

 直球と分かっていても打てない直球。阪神・藤川の代名詞である火の玉ストレートを追い求めたのは佛教大時代だった。「あんな真っすぐを投げたいとずっと練習していた」。中日からドラフト指名されると、3つ提示された背番号の中から「藤川さんと一緒や」と22を選んだ。憧れの選手が引退会見した日に快挙を成し遂げた。

 次戦は中6日で8日巨人戦に登板予定。球団新記録の6試合連続完投勝利がかかる試合で投げ合うのは、今季9勝0敗の菅野だ。「当たるとなれば、凄く意識する。チームが勝つことが一番」。記録ではなく、勝利のために最後まで投げきる。(徳原 麗奈)

 《左腕では19年ぶり快挙》大野雄(中)が球団タイの5試合連続完投勝利をマーク。55年石川克彦、61年権藤博、06年佐藤充に次いで14年ぶり4人目だ。また、大野は8月23日DeNA戦に続く2試合連続完封勝利。中日では08年吉見一起以来、左腕では01年野口茂樹以来19年ぶりとなった。大野雄は次の登板で73年の渋谷幸春に並ぶ3試合連続完封勝利の球団記録に挑む。

 ▼権藤博氏 私の時代とは、道具の質、打者のパワーが違う。当時は1、3~5番打者を警戒すればよかったが、今は下位も含め息を抜けない。先発は6イニングを投げ切ることが基準となった時代に率直に凄い。元々良かった球持ちの長さに加え、制球がよくなり、打者はボールを探している印象を受ける。セでは巨人・菅野に匹敵する存在になりつつある。

 ▼中日・佐藤充スカウト(06年に5試合連続完投勝利)私はローテの谷間で投げさせてもらっての達成。(大野雄は)エースとして相手にも研究され、マークされる中だったのでより厳しかったと思います。6勝、7勝と積み上げてほしい。

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