痛快“返り討ち”だ!智弁学園が昨秋近畿大会決勝カードを制する 5年ぶり頂点へ「難所」越えた

2021年03月24日 05:30

野球

痛快“返り討ち”だ!智弁学園が昨秋近畿大会決勝カードを制する 5年ぶり頂点へ「難所」越えた
<智弁学園・大阪桐蔭>1回1死満塁、智弁学園・植垣は左翼線に走者一掃の適時二塁打を放つ (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【第93回選抜高校野球大会第4日第2試合 1回戦   智弁学園8ー6大阪桐蔭 ( 2021年3月23日    甲子園 )】 一度もリードを許すことなく逃げ切った。今大会最多9500人の観衆の前で智弁学園が昨秋近畿王者の貫禄をみせ、決勝で破った大阪桐蔭を返り討ち。主将で4番を打つ山下陽輔は「冬場に意識してきたことができた。もう一度、秋のような、つなぐ野球で勝ち切ろうとやってきた」とほおを緩めた。
 “先制パンチ”が効いた。初回無死満塁から山下は松浦慶斗の高め直球を右翼へ先制犠飛。「初回から積極的に打っていくことを徹底できた」。さらに1死満塁とし植垣洸が左翼線に走者一掃の3点二塁打を放ち一挙4得点。2点差に詰め寄られた直後の6回無死一、二塁では森田空がバスターで中前適時打を放つなど3点を取り返し、最後まで流れを渡さなかった。

 山下の胸には、常に両親の教えがある。両親ともに消防士。大阪市消防局で救急車の隊長を務める父・直人さん(47)は周囲を助けることの重要性を愛息に伝え続けてきた。中でも最も重視するのが「声かけ」だ。「患者の方に声をかけるだけで意識レベルが上がるし、何を訴えているのか分かる」。山下は何度も三塁からマウンドに向けて声をかけ、投手をもり立てた。幼少時の夢は消防士。ただ中学生となり母・三和子さん(45)に「消防士になる?」と問われると「オレの夢は野球」と言い切り、甲子園で優勝することが目標に変わった。

 小坂将商監督は「何とか食らいついて、いい試合をと思っていた」と勝利をかみしめた。16年以来2度目の頂点に向け、最初で最大の難所を越えた。(桜井 克也)

 ▽智弁学園―大阪桐蔭の昨秋近畿大会決勝VTR 智弁学園は初回に大阪桐蔭・松浦慶斗の立ち上がりを攻め2点を先取。3回には山下洋輔のソロ本塁打で加点。3点優勢の7回には前川右京が関戸康介から右翼場外弾。エース西村王雅は9安打を浴びながら要所を締め完投勝利を飾った。

 ○…天理に続き智弁学園も初戦突破。奈良県勢が2校とも初戦を勝つのは1977年の天理(8強)と智弁学園(4強)以来44年ぶり。

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