明桜・風間球打 雨の甲子園デビュー 4回までノーノーもノーゲームで幻に「記録をつくりたかった」

2021年08月13日 05:30

野球

明桜・風間球打 雨の甲子園デビュー 4回までノーノーもノーゲームで幻に「記録をつくりたかった」
<ノースアジア大明桜・帯広農>5回、マウンドに上がるも豪雨に見舞われたノースアジア大明桜・風間(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【第103回全国高校野球選手権大会1回戦   ノースアジア大明桜―帯広農(4回裏終了降雨ノーゲーム) ( 2021年8月12日    甲子園 )】 1回戦4試合が予定されていたが、第1試合のノースアジア大明桜(秋田)―帯広農(北北海道)は4回終了後に降雨ノーゲーム、第2試合以降の3試合は中止となり、13日に順延となった。ノースアジア大明桜は5―0とリードし、今秋ドラフト1位候補の157キロ右腕・風間球打(きゅうた)投手(3年)は4回を無安打で毎回の4三振を奪う快投だった。
 甲子園の銀傘を叩く雨。無安打投球を続ける風間が5回のマウンドに上がろうとした時に激しさが増し、午前8時51分に中断した。49分後に無情のノーゲーム。甲子園デビューはノーヒッターのまま、幻で終わった。

 「(甲子園は)舞台が全然違うので緊張しました。正直、投げて記録(ノーヒットノーラン)をつくりたかった」。悔しさが込み上げる。雨は試合前から降り続き、5―0とリードする中で試合続行は不可能となった。

 今大会最大の注目を集める右腕は、ぬかるむマウンドで対応力を発揮した。足場が悪かった影響もあり、立ち上がりはボールが先行。途中から踏み出す足の幅を狭め、走者がいなくても本来のノーワインドアップではなく、セットポジションで投げた。「普段は踏み込んで投げるタイプ。結構滑りやすかったのでとっさに考えた」。球速にこだわらず、適応することに努めた。

 7月23日の秋田大会決勝での登板後、実戦から遠ざかり「ちょっと腕の振りが弱くなっていた」という。悪条件も重なり、最速は初回に計測した149キロ止まり。それでも1メートル83の長身から投げ下ろす直球は威力があり、カーブ、スライダー、フォークを効果的に使った。2四死球も毎回の4三振を奪い「ヒット0に抑えられて良かった。雨で制球が悪かったが、うまく打ち取れた」と振り返った。

 開幕日の雨天中止により1日遅れで初戦に臨み、降雨ノーゲームでまたも順延。再試合が予定される、13日以降も雨予報が続く。調整は難しいが「油断したら打たれてしまう。気を引き締めて次の試合に臨みたい」と切り替えた。投じた55球は「1週間で500球」の球数制限に含まれるが、大会序盤で試合間隔が空くため、連投しても影響はない。仕切り直しの一戦でも安打は許さない。(柳内 遼平)

 ◇風間 球打(かざま・きゅうた)2003年(平15)10月11日生まれ、山梨県甲州市出身の17歳。小1から野球を始め、4年生から本格的に投手を始める。塩山中時代は笛吹ボーイズでプレーし、2年時に全国大会出場。ノースアジア大明桜では1年春からベンチ入りし、3年春から背番号1。1メートル83、81キロ。右投げ左打ち。

 ≪ノーゲームは12年ぶり≫ノースアジア大明桜―帯広農の1回戦は4回終了時に降雨のため、大会史上19度目のノーゲームになった。前回は09年の高知―如水館の1回戦。如水館が2―0とリードしていた3回終了時に降雨ノーゲームに。翌日も如水館が6―5でリードしていた5回途中に雨のため史上初の2試合連続ノーゲームとなった。翌々日は高知が9―3で勝利。エース公文克彦(現西武)は木下拓哉(現中日)とバッテリーを組み、3日間で305球を投げ抜いた。

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