横須賀擬宝珠 地元愛で旋風を

2022年06月14日 05:00

野球

横須賀擬宝珠 地元愛で旋風を
擬宝珠ポーズで上位を目指す創部2年目の横須賀擬宝珠ナイン Photo By スポニチ
  天皇賜杯第77回全日本軟式野球大会ENEOSトーナメント(9月16日~佐賀 スポーツニッポン新聞社主催)出場をかけた静岡県予選が18日、島田球場を拠点に開幕する。最大の注目は横須賀擬宝珠(ぎぼし)で、創部2年目ながら昨年に続き連続出場。掛川市の横須賀地区を心から愛し、地元飲食店らがサポートする新スタイルの地域密着型軟式クラブチームとして旋風を巻き起こす。
 野球を通じた町おこしで地域を活性化させる。「企業チームにひと泡吹かせる」と立ち上がった横須賀擬宝珠が、伝統ある芝浦機械(沼津)との初戦に向け気合十分。主将の松下祐外野手(25)は「泥臭くどんな形でも点を取って勝ちます」とナインの意気込みを代弁した。

 何ともユニークなチーム名。発起人は石川剛監督(50)の長男で、プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusで常勤審判員を2年間務めた代表の隼大外野手(23)だ。当時から地域密着型のスタイルに共感。「地元でできたら面白いんじゃないか」と考え「市外に出ている選手をまとめよう」と実行に移した。横須賀という町はもともと祭りが大好き。親しみやすさも込め、祭り屋台の天頂に取り付けられる金色の装飾品をチーム名に据えた。

 登録1年目の昨年は最下級のCクラスでありながら、最上級のAクラス勢を撃破。天皇賜杯県大会にも出場し初戦で伊豆テクノス(田方)に勝利した。今でこそ権威の高さに理解を示す3番・鈴木勝斗遊撃手(25)は「昨年は大会のレベルすら知らなかったです」と苦笑い。現在はYouTubeやSNSで活動内容をアップすることで「フォロワー数が一気に増えました」(石川隼)とうれしい悲鳴だ。地域でも認知され、居酒屋など6店からスポンサーとして協力を得るまでに。さらに、同地区にある三熊野神社周辺のごみ拾いといった環境整備も実施した。ミーティングでも「野球以外に地域貢献として何ができるか」を真剣に意見交換。鈴木勝は野球人口激減に歯止めをかける意味で「野球をやったことがない子どもたちとの交遊会をしていきたい」と明かした。

 24選手が地域の期待と応援を背に戦う。沖宗永規三塁手(25)は「地元の温かさを感じています。僕らのプレーで元気になってくれたら」と全力プレーを宣言。指揮官の二男で強打の1番・大晴中堅手(20=法大1年)も「兄がつくり、父が監督。過程を見てきたので力になりたかった」と試合の度に東京から駆けつける。“祭り”を起こし、町民の希望になる。(小澤 秀人)

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