東北からまた怪物候補!仙台育英・仁田 今大会左腕最速147キロ ぶっつけで1回3K

2022年08月12日 04:06

野球

東北からまた怪物候補!仙台育英・仁田 今大会左腕最速147キロ ぶっつけで1回3K
<仙台育英・鳥取商>8回に登板した仙台育英・仁田(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【第104回全国高校野球選手権第6日・2回戦   仙台育英10―0鳥取商 ( 2022年8月11日    甲子園 )】 2回戦4試合が行われた。仙台育英(宮城)は鳥取商に10―0で大勝。8回に登板した2年生の仁田陽翔(にた・はると)が今大会の左腕で最速の147キロを記録するなど1回無失点で3三振を奪った。岩手県大船渡市出身で東日本大震災も経験した左腕が躍動し、東北勢は13、14年に並ぶ史上最多タイの5チームが初戦突破。春夏計3度の準優勝の実績がある仙台育英も含め、悲願である深紅の大優勝旗の白河の関越えに期待がかかる。
 大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)らを生んだ東北から、またも怪物誕生の予感だ。2年生左腕の仁田がマウンドに上がる。投じられた剛速球にスタンドがどよめく。盛夏の甲子園で、ベールを脱ぎ捨てた。

 出番は5―0の8回。宮城大会はぎっくり腰の影響で登板はなかったが「このチームなら東北勢初の優勝を狙える」と確信を抱く左腕が「ぶっつけ本番」で1回1安打無失点に抑えた。20球中、直球は11球で10球が140キロ超え。今大会で左腕最速の147キロを投じるなど3三振も奪った。大会の無失点勝利の継投人数では最多となる5人で、全員が140キロ以上を記録。須江航監督は仁田について「もう一個、強い球を投げられる」とさらなる活躍に期待した。

 5歳だった11年前、郷土を東日本大震災が襲った。大船渡市で暮らしていた仁田は市内のスーパーで母・美千子さんと被災。母は息子を抱えて駐車場に避難し、父・道行さんも無事だったが市の一部を津波がさらった。心の傷を癒やしたのは野球で小学3年から佐々木朗も汗を流した「猪川野球クラブ」に入団。5年時には中学3年だった佐々木朗の登板試合も観戦し「別格だ…」と衝撃を受けた。憧れの存在に少しでも近づくため野球に集中できる仙台育英に進学。「体が細かったので体重を増やして瞬発系のトレーニングをした」という努力が実り、両親もスタンドで観戦した大舞台で輝いた。

 東北勢5校の初戦突破は13、14年に並ぶタイ記録。春夏通じ優勝旗が渡っていない「白河の関」越えにも期待がかかる。須江監督は「(この日に投げた)5人全員に(先発登板の)可能性がある」と明秀学園日立(茨城)との次戦をにらんだ。

 同学年には同じ左腕で大阪桐蔭の前田がいる。「いつか投げ合えるようレベルアップしたい」との思いで成長を続ける仁田は、頂点だけを見据えている。(柳内 遼平)

 ◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の17歳。猪川小3年から野球を始め、大船渡第一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。1メートル74、74キロ。左投げ左打ち。

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