近江・山田「これも日本一への通過点」斎藤、田中超え甲子園9勝 滋賀県勢夏40勝も決めた

2022年08月13日 04:06

野球

近江・山田「これも日本一への通過点」斎藤、田中超え甲子園9勝 滋賀県勢夏40勝も決めた
<近江・鶴岡東>帽子を飛ばしながら力投する近江・山田(撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 【第104回全国高校野球選手権第7日・2回戦   近江8―3鶴岡東 ( 2022年8月12日    甲子園 )】 2回戦4試合が行われた。近江(滋賀)のプロ注目右腕・山田陽翔(はると)は3回に2本塁打を許しながら、2試合連続2桁奪三振となる12Kで149球3失点完投。3回には勝ち越しとなる決勝の左翼線適時二塁打を放ち、今大会最多観衆の甲子園を沸かせた。滋賀勢夏40勝目を挙げ、山田は大阪桐蔭・藤浪晋太郎(阪神)らに並ぶ甲子園9勝目をマークした。
 今大会最多の3万7000観衆のマンモスが沸いた。近江のエース・山田が149球で12三振を奪い、3失点完投。甲子園大会では自身6度目となる2桁三振で、チームを3回戦へと導いた。

 「これも日本一への通過点。すごい声援を受けて、マウンドでも自分ひとりの感じがしない。背中を押してもらいました」

 夏に勝ち続けるために鍛え抜いた下半身が、反撃を許さなかった。最速は148キロで、9回にも145キロをマーク。終盤でも衰えないスタミナもさることながら、特筆すべきは修正能力の高さだ。3回に2本塁打され3失点。1イニングではもちろん、1試合2被弾も甲子園で初めてだったが、慌てなかった。「甘い球はやはり打たれる」。4回以降は徹底して変化球を低めに集め、9回までの6イニングを無失点に封じた。

 「自分のバットで逆転して、自分で自分を救うことができた。仲間もチャンスをつくってくれた。4番の仕事ができました」

 バットでも魅せた。3回は同点に追いついて、なおも無死一、二塁。2球で追い込まれたが、3球目の高め直球を左翼線へ運んだ。勝ち越しとなる決勝の適時二塁打。滋賀県勢として夏の甲子園40勝目をたぐり寄せた。

 刺激を受ける存在もいる。11日に甲子園で2打席連続本塁打を放った高松商・浅野翔吾(3年)だ。中学時代はともに日本代表入りしながら、山田は硬式、浅野は軟式。接点はなかったが、昨夏の甲子園大会中に連絡先を交換した。主将だけの参加となった6日の開会式では待機中には「お互い勝ち進んで、勝負しよな」と誓い合った。対戦できるのは準決勝以降。加えて、コロナ陽性でベンチ入りを外れた横田悟(2年)と交わした約束もある。「準決勝まで行けば戻ることができるはず。それまでしっかり準備してくれ」。負ける訳にはいかない。

 駒大苫小牧・田中将大(楽天)、早実・斎藤佑樹(元日本ハム)を超える甲子園9勝目で、大阪桐蔭で春夏連覇をした藤浪晋太郎(阪神)の勝ち星にも並んだ。「エース兼4番兼キャプテン」。あとは、偉大な先輩たちと同じ「全国制覇」の肩書を加えてみせる。(鈴木 光)

 《6度目の2桁K》近江・山田陽翔は12三振を奪い、春夏通算6度目の2桁奪三振。主な投手では興南・島袋洋奨の7度、駒大苫小牧・田中将大と早実・斎藤佑樹の6度、作新学院・江川卓の5度などがある。

 《滋賀勢40勝目》近江が今大会2勝目を挙げ、滋賀県勢として夏の甲子園通算40勝目。うち、近江は18勝。県勢で春夏連続で2勝以上は史上初。

 《援護打線に多賀監督満足》逆転勝利に近江・多賀章仁監督は「山田が打たれても、すぐに取り返したことが大きい。チームの成長を感じる」と効果的な得点を重ねた打線を評価した。初戦で逆転打を放った横田悟がベンチを外れたが、代わって5番に入った石浦暖大が4回に二塁強襲の適時打など1安打3四球で打線をつないだ。「すぐに追い付いて理想とした展開になった。最後の夏なので楽しんでやりたい」。石浦は初戦から5打数5安打、8打席連続出塁と波に乗っている。

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