屋鋪要さん 引退が頭よぎった“バンザイエラー” 翌日かかってきた電話に救われ、日本一

2023年01月19日 17:06

野球

屋鋪要さん 引退が頭よぎった“バンザイエラー” 翌日かかってきた電話に救われ、日本一
屋鋪要氏(2011年撮影) Photo By スポニチ
 大洋(現DeNA)、巨人で活躍した元プロ野球選手で、現在は少年野球の指導をしながら鉄道写真家、ラベンダー栽培の専門家としても活動している屋鋪要さん(63)が19日、文化放送「くにまる食堂」(月~金曜前11・00)にゲストとして生出演。恩師の一人である巨人終身名誉監督、長嶋茂雄さん(86)との忘れえぬ思い出を語った。
 過去にも出演経験があり、番組のヘビーリスナーでもある屋鋪さん。パーソナリティーを務める元文化放送でフリーの野村邦丸アナウンサー(66)からオープニングで「元プロ野球選手というオーラを一切出さず…」といじられながら登場し、2時間にわたって楽しいトークを繰り広げた。

 そのなかで唯一、プロ野球選手時代について語ったのがミスターとの思い出だった。屋鋪さんは大洋時代に俊足&好守の外野手として活躍し、2008年1月に亡くなった加藤博一さん(享年56)、高木豊さん(64)と俊足ぞろいの“スーパーカートリオ”として一世を風靡(び)。だが、1993年オフに球団が下した主力選手大量解雇の波に飲まれ、無情にもクビに。この時すぐさま手を差し伸べてくれたのが当時巨人監督だった長嶋さんだった。

 翌94年に巨人入り。だが、初の古巣対決となった4月12日の試合(横浜)で悪天候の中、中堅を守った際にローズのフライと思われた打球を見失って“バンザイ”する形で後逸し、チームは痛恨のサヨナラ負け。打球に触っていないため失策はつかず、記録上はローズの二塁打となったが“バンザイエラー”として大きく報道された。当然ながら激しく落ち込み、引退まで考えたという屋鋪さん。だが、試合翌日、長嶋監督は自宅までわざわざ電話をしてくれたそうで「屋鋪、お前、落ち込んでんじゃないだろうな。あんなの、お前が捕れないんだったら誰も捕れないよ」と激励。気持ちが救われたという。

 「本当にね、凄い風がホームから吹いてまして。雨が降っていてボールが見えなかったんですね。でも、長嶋さんがセンターにオレを入れた以上は、それが(自分の)仕事なんですよ。どんなボールも捕らなきゃいけないっていうのが仕事だったんだけども、あの時は正直ね。ボールが(悪天候で視界から)なくなったんですよ。ですけどね。“お前、落ち込んでんじゃないぞ。あしたしっかり来いよ”って。“お前に捕れないボールは誰も捕れないんだから”って。直(じか)にお話、していただきましてね。“よし、やろう”と。スタメンでね、出たいって気持ちはあったんですけどね。よし!じゃあ、オレは代走でも守備要員でもいいから、チームの勝利に役立てるんだったら、それに徹底しようと。あの時に(気持ちが)決まりましたよね…決めましたね」

 そして、この年に自身初となるリーグ優勝を経験し、初の日本シリーズ出場も果たした屋鋪さん。日本シリーズではダイビングキャッチで勝利に貢献し「長嶋さんに凄くほめていただきましたね」とうれしそうに振り返った。そして、長嶋さんは監督生活初となる日本一に。屋鋪さんは「あれは私の野球人生にとって最高の一瞬でしたね」と話していた。

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