能代松陽の最速144キロ右腕 森岡大智の脱力ストレートに注目! 18日開幕センバツ

2023年03月18日 04:45

野球

能代松陽の最速144キロ右腕 森岡大智の脱力ストレートに注目! 18日開幕センバツ
ビニールハウスのような室内練習場に設置されたブルペンで投球練習を行う能代松陽・森岡(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
 1月にスタートした「突撃!スポニチアンパイア」。11年から6年間、NPB審判員を務めた柳内遼平記者(32)が、フル装備で選手たちの成長や、魅力をジャッジする。第3回は「選抜特別編」として第95回選抜高校野球大会に出場する東海大菅生(東京)の最速150キロ右腕・日当(ひなた)直喜投手(3年)と、能代松陽(秋田)の最速144キロ右腕・森岡大智投手(3年)を紹介する。
 秋田駅から車で北へ1時間30分、能代松陽グラウンドに広がる光景に絶句した。一面の雪。ナインは長靴を履き雪上でキャッチボールをしていた。頭一つ抜けている1メートル84の大型右腕が森岡。ビニールハウスのような室内練習場内のブルペン。「変化球が自分の持ち味。そこを見てほしいです」の声が響いた。

 すらりとした細身から力感なく腕を振る。最速144キロの直球は糸を引くように低めに決まった。さらに、スライダーのように曲がり、フォークのように大きく落ちた変化球はカットボール。「ゴロを打たせることもできるし三振も奪える」と続けた。脱力フォームから多彩な球種を自在に操る姿に、広島・大瀬良が重なる。球審を担当した際は「手を抜いているのか」と思うほどの脱力ぶりだったが全ての球種が一級品。広島のエースが持つ「常に脱力」の特性を森岡も備えている。

 森岡の元を訪れたのは2月。まだ直球の質に「むら」はあった。雪国がゆえの練習不足で本人も「未完成」を自覚していた。それでも「ハンデがあると思うが雪国にしかできない練習もある」と長靴を履き、雪上で行う短距離走で下半身を強化。調整が進んだ甲子園では、さらに進化した姿に期待する。

 「ジャッジ」が終わると森岡は「声もジェスチャーも大きいので投げていて気持ちいいですね」と笑った。今年に入り3球団が視察に訪れた秋田の逸材。日差しに照らされた雪のようにキラキラと輝く笑顔を、聖地でも見せてくれるだろう。

 ◇森岡 大智(もりおか・だいち)2005年(平17)12月25日生まれ、秋田県出身の17歳。合川小3年から合川ニュースターズで野球を始め、合川中では軟式野球部に所属。能代松陽では2年夏に甲子園初出場、同年秋から背番号1。憧れの選手は楽天・田中将。50メートル走6秒3。遠投90メートル。1メートル84、81キロ。右投げ右打ち。

 ≪東北勢不利も勝利は「格別」≫選抜は東北勢にとって不利な要素が多い。能代松陽も冬季はグラウンドが雪で覆われ、アスファルトの駐車場で行うノックや、“土”を求めてバスで宮城県まで4時間30分もかけて遠征するなど工夫の日々。それでも工藤明監督は「土の上で野球ができるのは2週間に1回くらい。大きなハンデですけど、これで勝てたら格別です」と言う。初戦は4日目の第1試合で21世紀枠の石橋(栃木)と対戦。故郷に春の吉報を届けたい。

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