DeNAは阪神相手に今季3度目の零敗。それでも9回2死「夢と希望」がハマスタを駆け抜けた!

2024年05月12日 21:12

野球

DeNAは阪神相手に今季3度目の零敗。それでも9回2死「夢と希望」がハマスタを駆け抜けた!
<D・神>9回、二盗に成功した森敬(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   DeNA0―1阪神 ( 2024年5月12日    横浜 )】 DeNA担当4年目。阪神相手に本拠地で喫したきょう12日の零敗の中で、記者は就任以来初めてというくらいの「トキメキ」を感じた。
 0―1の9回2死。3番・宮崎が先発の才木から右前打で出塁。この瞬間、3万3277人の観衆は、今やアルティメット化したDeNA打線の主軸、次打者・牧の逆転サヨナラ2ランや、牧出塁に続く5番・筒香の豪快な一打を期待したに違いない。

 だが、ここで代走に指名された森敬斗は走った!初球から。才木は「完封目前」で打者に集中していたのかもしれない。二進を気にしなかったのかもしれない。それでも梅野は刺すために全力を尽くした。セーフ。森敬斗の集中力ある表情が今でも頭に残る。

 結局、牧の捕邪飛で試合終了。とはいえ、記者は0―1と緊迫し、冒険したら試合終了の場面で中軸を迎えるDeNAが、「打つ」以外の戦略を仕掛けた記憶がなかった。

 21年に担当就任以降、毎春キャンプで「走塁改革、進塁改革」は目にしてきた。結局オフには首脳陣や選手から「公式戦になると、走る勇気がなくなった。アウトになることを恐れた」というコメントを聞いてきた。

 5秒8の俊足の森敬斗も、秋季トレーニング中の2軍練習施設「ドック」でそう口にする1人だった。それでも背番号6は試合後、記者に言った。「あそこで自分が出るということは、“走る”というメッセージ。アウトになったらアウトになったで試合終了。仕方ないとは言わないけど、そこまで(アウトになることに)マイナスなイメージはなかった。良いスタートがきれたし悪くもなかった。自信がついた」と。

 11日終了時点で、DeNAの盗塁はリーグトップタイの19。森敬斗の盗塁は20個目。「走塁改革」は進んでいるが、森敬斗の今季初盗塁はその中で最も「夢と希望」がハマスタを駆け抜けた、と言えるスチールだった。

 ソトの豪快なサヨナラ弾、今永のノーヒットノーラン、バウアーの衝撃、度会の開幕弾、筒香の劇弾。個人の能力が発揮された多くの印象的場面を目撃し、心が高まる瞬間はあった。一方で試合終了の可能性もある場面の戦略的「仕掛け」でトキめいたのは初めてだ。

 今後もDeNAは超重量打線でシーズンを戦っていくだろう。それでも、だ。記者は森敬斗が言った「自信」を有効利用していく戦いを見ていきたいと感じている。(大木 穂高) 

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