落合博満氏 緊張で全身けいれんした81年の球宴「スタメンと思ってなかった」

2023年03月29日 17:05

野球

落合博満氏 緊張で全身けいれんした81年の球宴「スタメンと思ってなかった」
落合博満氏 Photo By スポニチ
 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が29日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。開幕戦でも感じない緊張を味わった1981年の球宴第1戦を振り返った。
 オープン戦から開幕戦に向けて調整を進めるが100%で臨むのは難しい。

 「完璧に状態良くて開幕を迎えるってのはそうはない。だいたい7割か8割程度のもんなんだろうと思う」

 そもそも万全の状態をつくるのが難しい。落合氏は「実際100%の状態っていうのはシーズン通してそうはない」と言い切った。

 記憶を探すのが難しいほど開幕戦は緊張もなかった。

 そんな落合氏でも緊張で全身けいれんした試合があった。

 「オレが1番緊張したのはオールスターだもん。3年目の西本(幸雄)さんが監督で、甲子園球場でね。先発ピッチャー小林(繁)さんよ」

 1981年7月25日の球宴第1戦(甲子園)のスタメンには伝説的なメンバーが名を連ねていた。

 <全パ>
 1番・中堅 島田誠(日本ハム)
 2番・遊撃 石毛宏典(西武)
 3番・一塁 加藤英司(阪急)
 4番・左翼 門田博光(南海)
 5番・右翼 リー(ロッテ)
 6番・二塁 落合博満(ロッテ)
 7番・三塁 藤原満(南海)
 8番・捕手 梨田昌崇(84年から昌孝、近鉄)
 9番・投手 藤田学(南海)
 監督 西本幸雄(近鉄)
 <全セ>
 1番・遊撃 原辰徳(巨人)
 2番・一塁 藤田平(阪神)
 3番・三塁 掛布雅之(阪神)
 4番・中堅 山本浩二(広島)
 5番・左翼 谷沢健一(中日)
 6番・右翼 ライトル(広島)
 7番・二塁 岡田彰布(阪神)
 8番・捕手 若菜嘉晴(阪神)
 9番・投手 小林繁(阪神)
 監督 古葉竹識(広島)

 このメンバーでWBCを戦ってみたくなるような顔触れだ。

 「ほんで、1球バット振ったら背中から足から全部つった。全身けいれん…」

 試合後、トレーナーに体を診てもらうと「お前どうしたんだ、この体。何試合やったってこういう体にはならないよ」と驚かれたという。

 「スタメンでいくと思ってなかったからね」

 二塁には前年ベストナインとゴールデングラブをダブル受賞した名手、山崎裕之(西武)も選出されていた。

 「山崎さんがスタメンだろうな、と思ったらオレの名前があったからね。まぁ、でもそのゲームで優秀選手賞はもらったよ」

 そして第2戦、第3戦は「4番」で出場する。「4番の時はそんな雰囲気(緊張)はなかったもん。で、必ずオールスター行くと何か賞品もらって帰ってくるっていうのが(当たり前になった)」。

 落合氏は球宴には球宴の打ち方があるという。投手は力勝負が基本だった。

 「『オレの真っ直ぐ打てるもんなら打ってみろ』って。それが130キロ台だろうが140キロ、150キロだろうがね。で、インサイドはこないから。ぶつけたら失礼にあたるっていうことでね。そういう(暗黙の)ルール的みたいなものはあったよ」

 分かっていても超一流の投手だ。それを打てる落合氏がやはり凄い。

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