阪神・青柳の投球を重苦しくさせる空振りの少なさ それでもポストシーズンでは欠かせない存在になる気が

2023年08月13日 08:00

野球

阪神・青柳の投球を重苦しくさせる空振りの少なさ それでもポストシーズンでは欠かせない存在になる気が
<神・ヤ>4回2死三塁、長岡の時に青柳のワイルドピッチで同点となる (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4-3ヤクルト ( 2023年8月12日    京セラD )】 【畑野理之の談々畑】阪神の連勝は9まで伸びた。2位・広島とのゲーム差も7まで開いた。まだ浮かれるのは早いと思いつつも、いま虎番の間でちょくちょく話題になることが一つある。今後戦うだろうクライマックス・シリーズや、その先にある日本シリーズの第1戦に先発する投手は誰なのだろう?
 今シーズンのここまでの成績だけで判断するならチーム最多7勝の村上頌樹か、もしくは大竹耕太郎だろうか。6勝の伊藤将司も安定している。若い才木浩人、西純矢もハマった時の魅力は十分。みんな今年出てきた新しい力だが、彼らで大丈夫、彼らでいいじゃないかという意見はあるが、それでも、個人的にはやっぱり青柳晃洋がふさわしい…と1票入れていた。

 ここまで4勝4敗で苦しんでいるが、昨年まで2年連続13勝で最多勝のタイトル。残り40試合。ペナントレース最終盤で輝きを取り戻せば、有力候補の一人だと思っていた。

 その青柳がこの日のヤクルト戦に先発したが、苦しいピッチングだった。投手のサイスニードに押し出し四球。4回2死三塁からの暴投はシンカーが長岡秀樹の体の後ろを通るものだった。5回に宮本丈に右犠飛を許して勝ち越され、その裏の打席で代打を送られた。敗戦投手こそ免れたが、岡田彰布監督は「次の登板はまだ分からん」と話した。

 空振りが極端に少なく、重苦しく感じられた。5回まで打者23人に94球のうち、空振りを奪ったのは5つだけ。2つは初回先頭の並木秀尊がセーフティーバントを試みた際のものなので実質は3つ。3回先頭の武岡龍世の4球目のカットボール、2死の村上宗隆の2球目のスライダー、そして最後の1球となった5回2死からのドミンゴ・サンタナへのツーシームだった。アウトを奪うのに四苦八苦だった。

 阪神の今のエースは誰なのか。そもそもエースの定義とは?阪神とオリックスのOBで本紙評論家の能見篤史は「チームの顔。負けられない試合で必ず勝つ投手です」という。

 今季はもうタイトルどころか2桁勝利も厳しい。規定投球回にも届かないだろう。それでも21年、22年は間違いなく大エースだった青柳がポストシーズンでは欠かせない存在になる気がする。チームにとっての大一番、負けられない試合は必ずくる。

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