ソフトバンク 藤本特別アドバイザーが「一生、忘れない」継投策 激動の監督生活を振り返る
2023年12月31日 05:00
野球
「ぴょんぴょん跳ねたかったんやけどねー。全然、跳ねられない一年でしたね」
――1軍監督の2年間はどうでした?
「いやー、楽しかったー。苦しかったー。短かったーですかね」
――今季を振り返ると、開幕5連勝から始まりました。
「スタートは良かった。最初の1カ月はクリ(栗原)が頑張ってくれたかな。開幕ダッシュは栗原の打撃が有効的だった。コンちゃん(近藤)が4試合目で移籍1号もあって。いい流れだったよ」
――月別勝利数は15勝8敗の6月が最多。首位にも立った。
「(日本一の)阪神にも勝ち越したし、交流戦まで妥当な戦い方ができていたと思うけどね。7月か」
――はい。12連敗が始まってしまい…。
「一勝の重みというかね、なかなか一勝って難しいなと感じていた。何をやってもうまくいかない形になっていた。選手の何とか止めようという気持ちは、かなり伝わってきていたよ」
――8月には石川のノーヒットノーランもあったが藤本体制初の借金生活。
「開幕からの2本柱、石川と東浜が夏以降、結果を出せなかった。彼らも必死で頑張ってくれていた。結果がついてこず、歯がゆさもあったと思う」
――10月はロッテ、楽天との激しい2、3位争いでした。
「10月はもう勝つしかない。それだけの気持ちやったんやけどね。最後の最後ね…」
――はい、目の前の壁はまたオリックス。
「やっぱり投手力は、12球団トップ。特に先発です。若手も出てくるし、核もしっかりしていた。特に山下舜平大くんは球の強さよね。カーブ、フォーク。そのうち出てくると見ていた。強い球を打ち返そうとしたが、さらにレベルを上げてきていた」
――柳田は主将2年目で全試合出場。
「柳田は2年間、本当に頑張ってくれた。言葉こそ少ないがチームが明るくなるし、若手が慕っていく選手なんで。背中で選手がついてくるというチームづくりはできていた」
――日本一の公約だった自慢のヒゲをそる儀式はできなかった。
「いや、自慢のヒゲでもないわ」
――今、目を閉じても思い出せる試合を教えてください。
「22年の10月2日、ロッテ戦(※注1)です。柳田が頑張ってくれたけどね。僕の投手交代、采配がまずくて山口に3ラン打たれて。泉でいって打たれた。打たれたのは使った僕が悪いわけで。あの6回は忘れられない思い出ですね。あれは一生、忘れない。野球人生でも忘れない試合。いい方の思い出は(新人監督初の)開幕8連勝かな」
――来季から球団統括本部付特別アドバイザーに就任する。
「チームがリーグ優勝、日本一になるための縁の下の力持ちでいたいと思う。1軍選手、首脳陣はまとまっていると思うので2、3軍のコーチ、選手の相談だったり。そういうところを心がけようとは思っています」
――補強も進む。
「打線は12球団トップ級になるでしょう。山川にウォーカー。欲しかった右の大砲が入った。これで近藤、柳田がもっともっと生きてくると思います」
――最後にみこしデビューから2年。60歳、還暦です。
「やっぱり思い出は、これにしてほしいんやろ。みこしが、一番ええんやろ。やっぱ絵になるやろ。60歳なって赤いちゃんちゃんこはもう、4回着たわ」
※注1=22年10月2日、ZOZOマリンでロッテとの最終戦。優勝マジックを1としていた首位ソフトバンクは、初回に1点を先制し、4回に柳田のソロ本塁打で2―0でリードした。しかし、6回に2番手でマウンドに上がった泉が1死から安田に二塁打、井上に四球を与えた後、山口に3ランを浴びて逆転された。7回にも甲斐野らがつかまり追加点を許し3―5で敗戦。同日、オリックスが楽天に勝ち、同率となって直接対決の成績でオリックスがリーグ連覇となった。
◇藤本 博史(ふじもと・ひろし)1963年(昭38)11月8日生まれ、大阪府出身の60歳。天理(奈良)から81年ドラフト4位で南海(現ソフトバンク)に入団。ダイエー時代の90年7月7日の日本ハム戦でサイクル安打を達成。98年シーズン途中にオリックスに移籍し、同年に現役引退。通算成績は打率・235、105本塁打、419打点。11年にソフトバンクの2軍打撃コーチに就任し、2、3軍監督などを歴任。22年から1軍監督を務めた。
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