【落合×鈴木啓示対談】鈴木氏が語る近鉄が弱かった理由「こんな軽いんか。だから弱いんやな」

2024年03月19日 19:15

野球

【落合×鈴木啓示対談】鈴木氏が語る近鉄が弱かった理由「こんな軽いんか。だから弱いんやな」
鈴木啓示氏(右)とオレ流チャンネル「博満の部屋」で対談した落合博満氏 Photo By スポニチ
 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が19日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第6回目として、歴代4位の通算317勝を挙げた元近鉄投手・鈴木啓示氏(76=本紙評論家)をゲストに招いて対談を行った。
 鈴木氏が近鉄入団時に驚いたこととして、練習をしない先輩がいたことを挙げた。「近鉄の初日の練習に行った時に、みんな“麻雀に行くんや”“パチンコに行くんや”“デートに行くんや”“食事に行くんや”“飲みに行くんや”という先輩たちがね、簡単な練習をしてふっと遊びに行くから、えぇと思った。1年目やから遊びに行くところも知らんし、残って投げよ、残って走ろと思ってやった」と先輩を反面教師に居残り練習を続けたという。

 しかし、先輩からは「あいつ、野球しかせんのか」と言われる始末。この発言に鈴木氏は「仕事ですから。プロ野球ですからね。そういう感覚のチームやったからもう1つ強くなかったんやなと思ったね。練習量が少ないチームやったなと思った」と当時を振り返った。

 地道な練習の積み重ねの成果もあり、先発勝利数はプロ野球最多287勝、340完投は同3位だった。「これだけは自慢できる。もう1回やれと言われてもできないことを結果的にやらせてもろうとる。これは高校時代の3年間で体力つけたからやなと。“こんなきつい監督、顔を見るのも嫌や”と思った。そういう3年間でしたけど、嫌だったけどあの監督のおかげで体力がついたなと」と育英時代の恩師に感謝した。

 鈴木氏はさらに「近鉄に行ったときにプロってこんな(練習が)軽いんかと。だから弱いんやなと。俺はもっと残ってやるということでやったら“あいつ野球しかやらんのかい”って言うてね。新人の私にそんなこと先輩たちが言うねん。仕事ですやん、野球が。走ることに対しても、投げることに対しても最終的にスタミナができたよね。だから、ボールは肩や肘で投げるというんじゃなくて、ボールは足腰で投げると。そういうバランスを投げとる間に覚えた。そのためにやっぱり走った。何もわからんなりにやったことが良かったんやなと思ってね」と練習の大切さを説いた。この鈴木氏の意見に、落合氏も「練習は嘘をつかないっていうのを地でいったわけですね」と同調した。

 鈴木氏は1年目に10勝を挙げ、チーム最多勝だったことにも触れ「弱いチームが性に合うとったんです。“お前が頼りやぞ”って言われた時には裏切っとるんです」と話した。落合氏が「弱いチームでそこまで勝つっていうのは大変なことですよね」と振ると、鈴木氏は「結局満足せんかったから良かった。人間満足したら成長なくなるよ。俺はやったんやという気持ちがあったらどっかで抜けてくる。そんなことがなかったから、いつもシーズンオフは“よーし、来年見とれ”という気持ちでトレーニングしとったからね。だから20年もやれたんかなと思って」と現役時代を振り返った。

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