福留孝介氏 メジャー→日本復帰で打者の難しさ解説 苦労するのは投手の「間」の違い

2024年05月07日 05:30

野球

福留孝介氏 メジャー→日本復帰で打者の難しさ解説 苦労するのは投手の「間」の違い
福留孝介氏 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   DeNA6―5ヤクルト ( 2024年5月6日    横浜 )】 メジャーから5年ぶりに古巣に復帰したDeNA・筒香が2軍調整を経て1軍出場。日米通算2450安打を積み上げた福留孝介氏(47)がメジャーから日本に復帰する打者の難しさについて語った。自身は08年からカブスなどでプレーし、5年間のブランクを経て13年に阪神に移籍。1年目に経験した打席内での感覚のズレについて解説した。
 米国から日本に戻ってきた時、一番苦労するのは投手の「間」だと思う。日本の投手はワインドアップしたり、ゆっくり間を取って投げるが、メジャーの投手はサインを見たらすぐに投球動作に入り、厳密に言えば静止しないこともある。機械のようにショートアームから一定のリズムでバンバン投げてくる。

 日本人選手がメジャーに行くと、一般的にはタイミングの取り方が小さくなる。力負け以前に立ち遅れてしまうので、動きを小さくしてタイミングを取ろうとする。大きいものを小さくするのは難しくない。無駄な動きを削ったり、制限すればいいからだ。ただ、日本に戻ってきて、その逆の作業は簡単ではない。ましてや筒香選手は長打を期待されている。どこまで大きくすればいいのか、とてつもなく大きくするのか、少しでいいのか。

 かつてメジャーで6年間プレーした青木宣親(ヤクルト)が戻ってきた時も「“間”の違いを修正するのが難しいぞ」という話をしたことがある。この感覚は実戦で探っていかないと分からない。「まだ早いな」とか「これ以上遅くすると詰まるな」とか。そのちょうどいいタイミングを見つけるにはある程度、試合数をこなさないといけない。

 あとは以前、日本でプレーしていた時より年齢を重ねているということ。米国はほとんどが天然芝だが、セ・リーグは2つだけで、それもビジター。人工芝によるグラウンドの硬さもあり、思っている以上に腰や膝などへの負担も大きい。
 日本の投手は過去に対戦経験があっても記憶が止まっており、新しい投手も含めてアップデートする作業もある。今後もイメージと違うことがいろいろ出てくるはず。その時にどれだけ客観的に見ることができるかが大事だと思う。(野球評論家)

おすすめテーマ

2024年05月07日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム