DeNA・石田裕 球団新人16年ぶりマダックス!父の見守る前で95球プロ初完封

2024年06月17日 05:30

野球

DeNA・石田裕 球団新人16年ぶりマダックス!父の見守る前で95球プロ初完封
<西・D>完封勝利し山本(左)と抱き合う石田裕(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【交流戦   DeNA5―0西武 ( 2024年6月16日    ベルーナD )】 DeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手(22)が16日、西武戦で初完封勝利を挙げ、球団新人初となるデビュー2戦2勝を飾った。9回を95球で投げ抜き、4安打無失点。球団新人の100球未満での完封は16年ぶりで、ドラフト制以降3人目となった。前回登板のプロ初登板初勝利を、入院中で観戦できなかった父・幸昌さんが見守る前で快挙を達成。この日は父の日で、たくさんの孝行息子たちが輝いたが、その一番星となった。
 最後の打者・元山を二ゴロに仕留め、石田裕は両手を突き上げ跳びはねた。「正直最後はちょっとマダックス狙っていたんです。“やっちゃったなー”って。ストライク先行でいけたのが良かった」

 恐れを知らぬ新人がたった2度目の先発登板で95球の完封劇。4安打無四球で、球団の新人では08年小林太志以来16年ぶりの100球未満での完封「マダックス」を達成した。

 制球力が光った。5回を終えわずか46球。8回2死一、三塁のピンチは、1番・奥村を武器のシンカーで三直に封じた。三浦監督から8回終了時に続投の確認を受け「いかせてください」と直訴。ドラフト5位は、結果で指揮官を満足させた。

 父・幸昌さんの存在が心を高めさせた。5回1失点でプロ初登板初勝利だった前回9日のソフトバンク戦は、体調不良で入院中だった。本拠地のお立ち台で「大のベイスターズファンのお父さんが来ていないので。次、見に来てくれた時に勝ちたい」と誓っていたが、この日は快投を敵地のスタンドから見届けていた。少年野球「森ファイターズ」時代は、早朝5時から公園でキャッチボール。父は胸に来る投球以外は捕球してくれなかった。その厳しさが抜群の制球力を生み出してくれたと深く感謝する。

 ともに熱烈なDeNAファン。中大3年時に不調でプロの夢が遠のくと、父は「プロにいける」と背中を押してくれた。ドラフト会議前にDeNAより先に巨人から調査書が届くと、「巨人ファンになるからな」とも誓ってくれたという。

 ルーキーの活躍で昨年4月以来の7連勝となり、貯金1に浮上したのは4月13日以来2カ月ぶりだ。首位広島とは3ゲーム差に接近。「父にも良い姿を見せることができた。今日は父の日ということで、いつもありがとう!」。孝行息子がリーグ戦再開前に強い上昇気流に乗せた。(大木 穂高)

 ≪2戦目で達成は平松政次と同じ≫石田裕(D)のルーキーの100球未満完封は、21年5月16日オリックス戦の早川(楽)以来。チームでは大洋時代の67年8月20日サンケイ戦の平松政次(99球)、横浜時代の08年7月16日広島戦の小林太志(95球)に次ぎドラフト制以降3人目となった。なお、平松も石田裕と同じプロ2試合目だった。球団新人の無四球完封も08年の小林太以来。

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