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東農大 31年ぶり1部復帰 史上初3部から2季連続昇格 和田主将が3打点打線けん引

2024年06月28日 05:00

野球

東農大 31年ぶり1部復帰 史上初3部から2季連続昇格 和田主将が3打点打線けん引
<駒大・東農大>入れ替え戦に勝利し、胴上げされる東農大・和田(中央)と喜ぶ選手たち(撮影・松永 柊斗) Photo By スポニチ
 【東都大学野球1、2部入れ替え戦   東農大12ー1駒大 ( 2024年6月27日    神宮 )】 3回戦を行い、2部1位の東農大が1部6位の駒大に12―1で快勝した。2勝1敗として93年秋以来、31年ぶりの1部復帰を決めた。昨秋に3部1位から2部昇格しており、2季連続昇格での1部昇格は史上初めて。3年途中から主将を務める和田泰征内野手(4年)が2安打3打点で、18安打12得点した強力打線をけん引。“下克上”ロードをまた一歩、大きく前進した。
 東農大応援席は大根を持ちながらの「大根踊り」でお祭り騒ぎが続いた。1失点完投のプロ注目エース右腕・長谷川が勝利の瞬間に帽子を高々と投げると、次々に選手が駆け寄ったが、和田は余韻に浸るようにゆっくりと歓喜の輪に向かった。

 「これ以上ないほどの悔しさを味わったのでうれしいです」。どん底からはい上がった。昨春、20年秋以来の3部降格が決まると「自分がチームを変える」と和田は決意。北口正光監督も「和田たちの代に懸けたいなと。その思いが一緒だった」と3年だった和田が主将に就任する異例の人事が断行された。掲げた目標は2部復帰ではなく、4年秋での明治神宮大会優勝だった。残された道は2季連続昇格で、4年秋に1部の舞台に立つのみ。言葉と行動でも示した。

 自主性を重視する北口監督の下、平日の全体練習は午前8時までで、その後は自主練習になる。和田は連日、最後までバットを振り続け、思いは徐々に浸透した。今年3月の鹿児島合宿ではグラウンド中から「神宮大会で優勝するため」との言葉が飛び交い、全員が日本一のためのプレーを求め合っていた。

 強化してきた打線が大一番で力を発揮した。2回2死満塁から左中間へ3点三塁打を放ち、強くベースを叩いて感情をむき出しにした主将は「ボールに食らいつく執念を見せられました」と誇らしげだ。今チームのスローガンは「下克上」。まずは秋、1部で戦う権利を得た。「目標はあくまでも日本一。ここからです」。1部復帰もまだまだ夢の途中だ。(村井 樹)

 ◇和田 泰征(わだ・たいせい)2003年(平15)2月14日生まれ、東京都出身の21歳。習志野(千葉)では2年時の19年に春夏連続甲子園出場し、春は準優勝を果たした。東農大では1年春にリーグ戦デビュー。3部だった昨秋は三塁手のベストナインを獲得した。遠投90メートル。1メートル83、85キロ。右投げ左打ち。

 ▽東農大 1891年(明24)に創立された日本初となる私立の農学校。東農大応援団は両手に大根を持って行う演舞「大根踊り」が有名で、正式名称は「青山ほとり」。農大を称え、農業の尊さを歌う。野球部は1910年(明43)に創部され、東都大学野球リーグ2部で10度、3部で3度の優勝。主な野球部OBは小倉清一郎(元横浜高野球部長)、橋本武広(元西武など)、片平晋作(元西武など)ら。

 ▼西武・陽川(13年度卒)僕らもできなかったことなのでうれしいです。記憶では4年間で半分が3部との入れ替え戦。大学時代は「悔しい」と思った記憶しかない。今回は現地で応援できなかったですが、秋は必ず行きたいです。

 ▼阪神・谷川打撃投手(14年度卒)携帯で試合をずっとチェックしていて、同期のLINEが沸いていました。“大根”を持ちたくなるくらいうれしいです。

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