阪神・秋山が現役引退「もう膝も限界なので…」 3度の2桁勝利など通算49勝 近日中に会見予定
2024年09月13日 03:00
野球
「諦めずにやって来られたと思う。何回もはい上がることができた。当たり前だったものがなくなるのは寂しいですけど、もう膝も限界なので…。昨年、減額制限を超える年俸になって、今年ダメなら…と思って、1年やってきた。8月から(引退は)考えてはいました」
数日前、今季限りで現役引退する意向を球団に伝え、了承された。
紆余(うよ)曲折のプロ生活だった。西条(愛媛)から09年ドラフト4位で入団。高卒1年目の10年8月21日の巨人戦(東京ドーム)で早くも1軍デビューした。まだあどけなさの残る19歳。6回4失点で降板し、ベンチで悔し涙を流した。当時正遊撃手だった鳥谷から「6回4失点は上出来だよ」と励まされて前を向き、1週間後の8月28日のヤクルト戦(神宮)で初勝利。9月12日のヤクルト戦(甲子園)ではプロ初完封を「マダックス」で飾る大物ぶりで、4勝を挙げて将来を嘱望された。
2年目からの6年間は計2勝で結果を残せなくても“早熟”では終わらなかった。17年に自己最多12勝を挙げて鮮やかに復活。20年からは2年連続で2桁勝利を記録するなど、先発陣の一角として奮闘した。高校通算48本塁打で「伊予ゴジラ」の異名を取った打撃でも沸かせ、18年5月8日の巨人戦(東京ドーム)では“伝統の一戦”としては球団史上2度目の「本塁打&完封」の二刀流でG倒。虎党の記憶に残るワンマンショーだった。
18年に右膝を手術してからは古傷の痛みに悩まされた。投手に必要不可欠な走り込みが思うようにできず、パフォーマンスが低下。「ずっとこだわってやってきた」というワインドアップ投法にも「膝が痛くて振りかぶるのもつらかった」と限界を悟っていた。
18年ぶりにリーグ優勝した昨季は故障した伊藤将の代役で開幕第2戦の先発を任されて振るわず、オフには減額制限を超える50%減の年俸4400万円(金額は推定)で契約を更改。今季は開幕から2軍調整が続いていた。「諦めずに最後まで頑張って来られたと思う」。近日中に会見を開く予定。18歳でタテジマに袖を通し、必死に駆けてきた15年に悔いはない。秋山拓巳にしか歩めない道だった。
◇秋山 拓巳(あきやま・たくみ)1991年(平3)4月26日生まれ、香川県出身の33歳。西条では3年春、夏に甲子園出場。09年ドラフト4位で阪神入団。新人の10年に9月12日のヤクルト戦で無四球完封など4勝。17年は自己最多12勝。22年は右膝の不調で5試合、1勝に終わり、翌23年は2試合で8年ぶりの白星なし。1メートル88、101キロ。右投げ左打ち。
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