ヤクルト・青木が引退 42歳今季限り プロ生活21年で日米通算2723安打のヒットメーカー
2024年09月13日 05:00
野球
1メートル75という決して大きくない体で、数々の記録を残してきた。日本では史上唯一の2度のシーズン200安打、3度の首位打者。12年にメジャーに挑戦し、17年には日米通算2000安打を記録した。18年1月に古巣ヤクルトに復帰。21年に自身初の日本一に輝くと「このために自分は帰ってきたんだ」と人目をはばからずに涙した。
日本球界の歴史に名を残す安打製造機だが、エリート街道を歩んできたわけではない。投手だった高校時代(宮崎・日向)は全国的には無名。早大では同期の鳥谷敬(元阪神、ロッテ)ら甲子園組の陰に隠れ、入学当初は練習についていくのがやっとだった。03年のヤクルト入団はドラフト4巡目。1年目は10試合の出場にとどまったが、2年目に202安打を放ちブレークした。メジャーも入団テストのような扱いでブルワーズと契約したが、1年目からレギュラーの座を奪った。青木を支えてきたのは反骨心と人一倍の努力だ。
21年目の今季は61試合の出場で打率・192。代打中心の起用で、快音は消えていた。しかし、青木の役割はバットだけではない。ベンチの最前列で声を張り上げ、若手を鼓舞する。その存在はチームに安心感を与え、高津監督も抹消する際に「ここ(1軍)にいてほしい」と伝えた。
若手にも慕われ、毎年オフの自主トレでは「チーム青木」が結成される。19、20年には米国ロサンゼルス、21年以降は国内で寝食を共にし、技術だけでなく、試合への準備、心構えなど精神面も鍛えた。入団2年目から参加している村上は球界を代表するスラッガーへと成長を遂げた。
近く会見を開き、引退の理由については本人の口から明かされる。本拠地最終戦は10月3日の広島戦。♪ここで勝利を呼べ、行くぞ青木宣親――。神宮の杜に最後のファンファーレが鳴り響く。
◇青木 宣親(あおき・のりちか)1982年(昭57)1月5日生まれ、宮崎県出身の42歳。日向から早大を経て03年ドラフト4巡目でヤクルト入り。首位打者に3度輝き、05、10年と2度のシーズン200安打以上はプロ野球唯一の記録。11年オフにポスティングシステム(入札制度)でブルワーズに移籍し計7球団でプレーし、18年1月にヤクルト復帰。WBCに3度出場し、06、09年大会は世界一に貢献。1メートル75、80キロ。右投げ左打ち。
【青木データアラカルト】
☆生涯打率歴代6位
通算打率算出の条件となる4000打数以上の打者では歴代6位の・3128。同5位の川上哲治(巨=・3134)とは6毛差。18年5月3日中日戦で4000打数到達時は打率・327。歴代1位だったリー(ロ=・320)を抜きトップで顔を出した。その後、21年に2位に陥落。
☆安打製造機
05年に202安打をマーク。94年イチロー(オ=210安打)に次ぎ当時史上2人目のシーズン200安打を達成。10年にも209安打し自身2度目の200安打。シーズン200安打は6人が記録しているが2度は青木だけ。
☆広い守備範囲
06~11、20年と外野手として7度のゴールデングラブ賞を受賞。守備範囲の広さを示す刺殺数が300を超えたのが5度。プロ野球最多は福本豊(阪急)の7度だが、5度は山本浩二(広島)と並ぶ歴代2位タイ。
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