ドラフト会議直前【逸材ファイル】環太平洋大・徳山一翔 高校卒業直前から球速が大幅アップ

2024年10月22日 06:00

野球

ドラフト会議直前【逸材ファイル】環太平洋大・徳山一翔 高校卒業直前から球速が大幅アップ
環太平洋大・徳山
 最速153キロ左腕の環太平洋大・徳山一翔(4年)に転機が訪れたのは、大学進学直前のことだった。鳴門渦潮(徳島)時代の最速は138キロ。3年夏は背番号3を与えられ、3番手投手で高校野球を終えた。「大学は投手として勝負する」。そう決心し、高校卒業までの6カ月間、独立リーグの四国・徳島を指導するトレーニング施設「インディゴコンディショニングハウス」に通うことにした。
 同施設は投手の球速向上に定評があり、昨年ドラフト2位で徳島から阪神に入団した椎葉を1年間の指導で最速159キロに変身させたことでも知られる。「知識が身につき、体が変わり、今の僕がある」。運動力学に基づいた投球理論やウエートトレーニングを学び、秘めた力が解き放たれた。最速148キロと球速を10キロ伸ばして大学に進み、1年春からリーグ戦に登板。2年秋から2年連続で明治神宮大会出場に導くと、野村昭彦監督から「ドラフト1位を目指して努力しろ」と伝えられた。

 父の剛さんはマグロ漁船などに乗る漁師。小学生の頃の将来の夢は、同級生がプロ野球選手を挙げる中で一人「漁師」と書いた。漁を終えた父と、中学卒業まで連日の猛練習に励んだ。父が理想とする球筋は一つ。「ホップする球を投げるんだぞ」。回転軸を確認できるカラー球でキャッチボールしながら、2人で縦回転の直球を追い求めてきた。「父との練習が今につながる大きな一歩になりました」。4年春は左肘痛を発症して未登板。それでも磨き続けた剛球の評価は揺るがず、ドラフト上位候補として運命の日を迎える。 (河合 洋介)

 ◇徳山 一翔(とくやま・かずと)2002年(平14)4月11日生まれ、徳島県海陽町出身の22歳。海南クラブで野球を始めて一塁手や投手などを務める。海陽中では軟式野球部に所属。鳴門渦潮(徳島)では2年夏に背番号20でベンチ入りし、3年夏の独自大会は背番号3。環太平洋大では1年春のリーグ戦で初登板。1メートル77、87キロ。50メートル走6秒7、遠投100メートル。左投げ左打ち。

 ▼巨人・柳舘俊スカウト 馬力があり、直球は一級品。変化球も制球ができる楽しみな投手。

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