ドジャース・大谷 悲願の世界一「最高以外の言葉がない。本当に最高の1年間だった」

2024年11月01日 01:30

野球

ドジャース・大谷 悲願の世界一「最高以外の言葉がない。本当に最高の1年間だった」
<ドジャース・ヤンキース>シャンパンファイトで優勝トロフィーを掲げる大谷 Photo By 代表撮影
 【ワールドシリーズ第5戦   ドジャース7-6ヤンキース ( 2024年10月30日    ニューヨーク )】 ついに夢の場所までたどり着いた。ドジャースが30日(日本時間31日)、ヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第5戦を7―6で制して4勝1敗とし、20年以来4年ぶり8度目の制覇を果たした。左肩の亜脱臼を抱える大谷翔平投手(30)は無安打も、同点の8回に打撃妨害で出塁し、決勝点につなげた。前人未到の「50―50(54本塁打、59盗塁)」を達成した伝説のシーズンを、文字通り最高の形で締めくくった。
 もう左肩の痛みを気にする必要はない。7―6の9回2死。空振り三振で勝負が決すると、大谷はベンチを飛び出し、左手でユニホームの胸元をつかむことなくマウンドに駆けた。初のワールドチャンピオン。歓喜の輪の中で跳びはね、顔をくしゃくしゃにした。

 「最高以外の言葉がない。新しいチームに来て、最高の終わり方ができて、本当に最高の1年間だった」

 最後は必死につないだ。5点差を追いつき、勝ち越され、再び同点に追いつき迎えた8回1死一、三塁。初球をファウルした際、捕手のミットがバットに触れて、打撃妨害で出塁した。続くベッツの決勝中犠飛につなげ「全員がボールに対して必死に食らいついた結果」と誇らしかった。

 第2戦の盗塁で左肩を亜脱臼し、痛みをこらえ、胸元を左手でつかみながら出場を続けた。「ケガした直後はもう無理かなと思った。けどその後の処置も含めて、(チームが)“必要だ”と言ってくれたのがうれしかった。最後までプレーしたいという気持ちにさせてくれた」。状態は上向き、前夜まで着けていたサポーターを試合中は外した。シャンパンファイトではトロフィーを両手で掲げ、デーブ・ロバーツ監督は「彼は片方の腕(右腕)だけでプレーし、ナインからさらに尊敬を集めた」と敬服した。

 昨年12月に北米プロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(決定時約1015億円)で移籍し、2月には真美子夫人との結婚を発表した。韓国での開幕戦直後には水原一平通訳の違法賭博関与、不正送金問題が発覚。十分な睡眠が取れない日もあった。それでも昨年9月の右肘手術で打者専念となった移籍1年目は序盤から打ち続け、前人未到の「50―50」も突破。エンゼルスでの6年間で一度も進めなかったポストシーズンは、メジャー7年目での初出場で一気に頂点まで上り詰めた。「自分の野球観、技術を上げてくれるような素晴らしい選手たちとやらせてもらった」と謙虚に感謝し、最後は右腕一本でのプレーでチームを鼓舞した。

 日本ハムからエンゼルスに移籍した際、当時の栗山英樹監督に約束したのは「世界一の選手になる」こと。満票MVPを2度獲得し、昨年3月にWBC制覇。今季は初のWS制覇を成し遂げ、3度目の満票MVPが期待される。名実ともに世界一の選手となった。

 会見を終えると、山本、フラーティと敵地のマウンドまで戻ってスリーショットに納まった。来季は投手復帰が待っている。常に前を向く大谷らしく、最後に一人でガッツポーズをつくると、後ろを振り返ることなくさっそうとグラウンドを後にした。(柳原 直之)

 ≪4度目シャンパンファイト「まだ葉巻は吸っていない」≫ヤンキースタジアムのビジター球団のクラブハウスで行われた今年4度目のシャンパンファイトでは、シャンパン96本とバドワイザーのロング缶180本が準備された。30分ほどで歓喜の泡と消えた。地元局のインタビューで慣れてきたと指摘された大谷は「まだ葉巻は吸っていないので」と答えスタジオの笑いを誘っていた。

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