辻発彦氏 勝負分けた1番打者の働きの差 初回凡退も粘った桑原、笹川は対照的に3球三振
2024年11月01日 05:30
野球
前田純に代わった4回、先頭で遊撃への内野安打。梶原も続いて牧の3ランが生まれた。9回の押し出し死球も津森がしぶとい桑原の「圧」に耐えられなかったからだ。中堅守備でも今宮のヒット性の当たりを好捕。こういうプレーが出るとベンチも乗ってくる。
一方、ソフトバンクの1番に入った笹川は初回に3球三振。先頭の周東が右前打で出塁した3回無死一塁でもジャクソンに手玉に取られた。相手バッテリーが周東の足を警戒して直球で来ると読んで打席に入ったがチェンジアップを投げられ空振りし、2球目は直球をファウル。3球目もチェンジアップで右飛。走者も進められない。なぜ王手がかかる第5戦の1番が笹川なのか。なぜ柳田ではなかったのか分からない。
私は西武の黄金時代、1番を任されることが多かった。心掛けたのはヒットよりも出塁。いやらしい存在になることだった。カウント2―0や3―1からはバットを振らない。四球を取れれば御の字、凡退しても球数を投げさせることはできる。秋山、清原、デストラーデがいた当時の西武と同じように、DeNAもソフトバンクも一発があるクリーンアップが控えている。1番打者の働きが複数得点に直結するチームだ。桑原と笹川の存在感の違いが試合の流れを決めたといっていい。
≪強い責任感ゆえ山川打撃に焦り≫山川は打たなきゃいけないという意識が強すぎて苦しい打撃になっている。CSファイナルSは絶好調。シリーズ第1戦、本塁打を含む3安打を放った第2戦ではアウトになってもいい感じで打てていると思っていた。第3戦でノーヒットに終わったあたりから焦りが出て、ボール球に手を出すようになった。
第1打席はジャクソンの直球に詰まって二飛。第2打席は1―1からワンバウンドのナックルカーブを振って、最後は直球で二ゴロに倒れた。第3打席は一転してチェンジアップに翻弄(ほんろう)されて空振り三振。第4打席も伊勢のフォークに空振り三振だった。捕手の戸柱に打席での焦りを見透かされ、相手の狙い通りに変化球のボール球を振らされてしまった。
ただし、実績がある選手。責任感の強さがいい方向に出れば集中力は増す。第4戦まで1割台前半の打率で苦しんでいた牧がよみがえったように、いい場面で一本出れば流れは変わってくるはずだ。
≪有原&モイネロ粘って逆襲なるか≫3連敗で王手をかけられてしまったソフトバンクだが、まだ勝機は十分にある。有原、モイネロのダブルエースが控えているからだ。第3戦から第5戦まで先発が早々と崩れ、ビハインドのまま投入した若くて経験の浅い中継ぎ陣が致命的な追加点を取られる悪いパターンが続いている。一方で勝ちパターンのヘルナンデス、オスナは崩されているわけではない。先発投手が7回まで踏ん張って彼らに直接つなげれば、いつもの強いソフトバンクの形になる。
有原は第1戦で内角中心の投球でDeNAに付け入る隙を与えなかった。モイネロも自分の投球ができていた。第3戦から第5戦の先発陣とはベンチの信頼も違うし、打線も2人の能力は分かっている。有原、モイネロなら先に点を取るまで粘ってくれると信じているはずだ。何が何でも先制点。取れれば流れは一気に変わる。
≪桑原が好調打率.391 ソフトバンクは打率.150機能せず≫DeNAは全5試合で桑原を1番で起用。全試合で安打を放ち、23打数9安打、打率.391、6打点、1本塁打でMVPの最有力候補に挙がる活躍を見せている。一方、ソフトバンクは柳田が3試合で1番を務めているが、この日は若手の笹川を起用して4打数無安打2三振。1番打者の通算成績は20打数3安打、打率.150と全く機能していない。
▽有原の第1戦、モイネロの第2戦VTR 有原は7回を4安打無失点。打っても2回2死満塁から右前に先制2点打を放ち、決勝打となった。日本シリーズで投手が勝利打点を挙げたのは、1986年の工藤公康(西武)以来38年ぶりだった。モイネロは6回2/3を3失点。8安打を浴びたが、要所を締める投球で2連勝に導いた。
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