内山無念返り討ち 完全燃焼も判定負けで引退濃厚
2017年01月01日 06:05
格闘技
序盤は初戦と同様コラレスのスピードと大振りフックに苦しみ、右を外されては左をもらった。しかし、5回に左フックでダウンを奪ってからは攻勢を強め、終盤はボディー攻めで相手を弱らせた。しかし、逃げ切り態勢に入ったコラレスは打ってはクリンチ、ホールディングを連発し、最終回には開始ゴングに靴ひもがほどけたのを利用して“休憩”。なりふり構わない相手を攻略できずに終了ゴングを聞いた。
8カ月前、同じ大田区総合体育館で3度ダウンした。具志堅用高のV13を視界に捉えていた防衛記録も、熱望していた海外進出も夢と消えた。だが「コラレスだけとはやりたい気持ちがあった」と再起を決意。KO負けを喫した映像を徹底チェックし、約7年ぶりに外国人のスパーリングパートナーも招へいして対策を積んだ。一部関係者には勝っても引退する決意を伝えて臨んだが、「相性が悪い。一番戦いづらい相手」(ワタナベジム・渡辺均会長)に再戦でも結果を覆せなかった。
内山は今後について聞かれると、「今はゆっくり休みます。(この試合に)懸けてきたので」と明言は避けた。それでもサバサバとした表情で、「前回より納得はしている。ポイントで負けたので。実力を出し切って、最後のゴングを聞いて、これだったので、しようがないというのはある」と話した声色に未練は感じられなかった。
◆内山 高志(うちやま・たかし)1979年(昭54)11月10日、長崎県生まれの37歳。埼玉・花咲徳栄高でボクシングを始め、拓大4年時から全日本選手権3連覇。05年7月プロデビュー。07年9月、東洋太平洋スーパーフェザー級王座獲得(防衛5)。10年1月、世界初挑戦でサルガド(メキシコ)に12回TKO勝ちし、WBA世界同級王座獲得。15年2月に日本人初のスーパー王者に認定された。身長1メートル72の右ボクサーファイター。