比嘉 TKO負け 失意の前王者 重すぎた“心のダメージ”
2018年04月16日 05:30
格闘技
戦う意義はKO勝ちだけ。序盤から積極的に攻めた比嘉だが、ロサレスのスピードとタフさが上回った。8回終了時の採点でリードを許しており、陣営は連打を浴びた9回、棄権を申し入れた。
以前から比嘉がフライ級で戦い続ける“危険性”は指摘されていた。胸囲97センチはミドル級レベル。鍛え上げた肉体はKO勝ちを続ける原動力になったが、一方で体重を減らす“余裕”もなくなっていた。
この敗戦で米国進出などは全て白紙に。具志堅会長は沖縄県民栄誉賞についても「比嘉が(沖縄に)行けるような状況じゃないし、相談します」と辞退する可能性を示唆した。比嘉は帰り際に「何も出てこない。改めて話します。ごめんなさい」と歩きながら絞り出した。まだ22歳。再起のチャンスはある。一度、羽を休め、再び羽ばたける時を待つ。
◆比嘉 大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日生まれ、沖縄県浦添市出身の22歳。宮古工入学と同時にボクシングを始め、国体ベスト8などアマ44戦36勝(8KO)8敗。14年6月プロデビュー。15年7月にWBCユース・フライ級王座、16年7月に東洋太平洋同級王座獲得。17年5月、エルナンデス(メキシコ)に6回TKO勝ちでWBC同級王座獲得。身長1メートル61、リーチ1メートル63の右ファイター。