“浪速のターミネーター”矢田良太、涙の戴冠!8回TKOで日本王座奪取
2018年04月16日 22:07
格闘技
「有川さんは本当に強くて、何度も心が折れたけど、僕は1日10時間練習している。誰よりも練習しているから僕が勝つと信じていました」
年齢は有川が5歳上だが、ともにプロ20戦目で戦績も同じ15勝4敗、KO勝ちは有川の13に対して矢田が12と似たタイプ。序盤からKO決着を果敢させる激しい打ち合いとなったが、矢田の王座への執着心が、7戦連続KO勝ちだった王者を上回った。
タイトル初挑戦だった2016年12月のWBOアジア太平洋ウェルター級王座決定戦で敗れたのを機にボクシング1本で行く決意を固めた。生活は医療事務の仕事をする江利夫人に支えてもらい、練習に専念。朝練に始まり、腹筋6000回、ロードワーク10キロ、筋トレ、そして夜間のジムワークなど1日の練習時間は10時間に及ぶ。他人から批判されても「質より量」を貫き、日本の頂点に立った愛弟子を本石昌也会長も「勝因は日本一の練習。チャンピオンになると信じていた」とほめた。
鹿児島・樟南高ではプロ野球横浜の大和の2学年後輩。肩、肘を壊し、野球では大成できなかった。サラリーマンを3年経験した後に見つけたボクシングという新たな夢。今回は「負けたら夫人の実家の農家を継ぐように言われていた」と背水の陣で臨んだ。「まだまだボクシング続けたいので…。勝ててホッとしてます」と矢田。いずれは世界への思いもあるが、まずはタイトルの防衛を重ねることが目標となる。