田中恒成 大みそか決戦を最後に父・斉さんのチーフセコンド“卒業”明かす
2020年12月19日 11:18
格闘技
斉トレーナーは「チーム恒成」を離れるわけではない。より明確に分業し、世界の猛者としのぎを削る体勢を整える意味合いだという。昨年8月のWBOフライ級王座2度目の防衛戦でジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)を下した際も、ミット打ちは村田大輔トレーナーが主に相手を務めるなど体制は少しずつ変化していた。4階級制覇を狙う今回を一つの区切りとする意向だ。
「今は練習で(斉トレーナーに)ミットを持ってもらうことは全くなくなった。(スタッフの林)隆仁さんがサポートしてくれて、大輔さんがミット持ってくれて、父親が監督みたいにちょっと外から見ている感じ。それを(畑中清詞)会長が見守ってくれる」
肉体面については河合貞利フィジカルトレーナーが管理し、朝のロードワークでは田中を置き去りにしそうになるほど張り切っているという。充実した現在の体制について田中は「今はいい感じ。心地いい」と表現した。
もちろん斉さんへの感謝は尽きない。スパルタで幼いころの空手、小5からボクシングと格闘技を叩き込まれ、一緒に歩んできた。「プロで(父と)組んでやってきたけど、親子ということもあって毎日のように意見がぶつかったりした。(父が)仕事をやめて(トレーナーに専念し)俺一本でやってくれたけど、全てうまくいくわけじゃない。今はチームの形ができて、一歩引いたところから言ってくれる父親のアドバイスは聞き入れやすい」。適切な距離を取ることで感情的な衝突は減り、建設的に意見をかわしやすいという。そして「(父)本人は一歩引くのは好きじゃないのに(体制の変化を)受け入れてくれた。(今までは)俺が素直に聞けないだけで、凄くいいこと言ってくれる。小さいころから面倒見てくれて俺のことを分かっているし、精神的な支えになる」とチームに不可欠の存在であることを改めて強調した。
一つのターニングポイントとなる井岡との大みそか決戦。是が非でも負けられない思いでリングに立つ。