拳四朗 涙のV8!不祥事発覚で延期“みそぎの一戦”大差判定勝ち、さあ4団体統一で恩返し
2021年04月25日 05:30
格闘技
「たくさんの方にご迷惑、ご心配を掛けて、どうしたらいいんだろうと不安の中にいました。勝てて本当にうれしい。こんな僕を応援してくれて、ありがとうございます」
昨年11月、泥酔による不祥事が発覚し、12月に計画されていた久田戦が延期。ライセンス停止3カ月などの処分を受けた。京都の実家で約2カ月間、自主的に謹慎。児童の登校見守りなど社会奉仕活動も始めた。その中で気づいたのは、活動に協力してくれる後援者や、東京の拠点・三迫ジムに戻った時に温かく迎えてくれた仲間たちの存在だった。
絶対に勝たなくてはいけない。強い思いからか立ち上がりは硬さもあったが、2回にジャブの相打ちから右ストレートを顔面に叩き込んでダウンを奪うと、最後まで主導権を譲らない圧勝劇。重圧から解放されると、感情は抑えられなかった。
「負けたら人生終わり。その覚悟はあった。でも、試合が終わって泣くとか思っていなかった。それだけボクシングが大好きになっていたのかな」
競技から一時離れたことで、取り組む姿勢も変化した。ファスティング(断食)によるコンディション調整から再出発。普段の食材もオーガニックにこだわるなど、体調管理にも気を使うようになった。
「ボクシングを続けられる僕は本当に幸せ。これからも勝ち続けることで少しでも恩返ししていきたい」
目指すは具志堅用高の持つ13連続防衛の日本記録更新だが、統一戦にも意欲を示した。「やりたい相手は全員です。(4団体のベルトを)全部獲る予定なので」。強気に話した時、ようやく笑顔が戻った。
【拳四朗の騒動後経過】
☆20年11月26日 一部週刊誌が7月に泥酔して帰宅途中にマンションの敷地内に侵入し、駐車中の車を傷つけたと報じる。
☆12月2日 JBC事務局を訪問し、謝罪と事情説明。プロモーターの真正ジムは、19日にエディオンアリーナ大阪で開催予定だったV8戦の中止を正式発表。
☆同15日 JBCが12月1日から3カ月のライセンス停止、制裁金300万円および6カ月以内に48時間以上200時間以内の社会貢献活動を義務付ける処分を科したと発表。
☆21年2月28日 処分解除。
☆3月8日 防衛戦を4月24日にエディオンアリーナ大阪で行うことを発表。